2014 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレント光照射によるセルロースの瞬時熱分解法の確立と生成物の同定
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25660131
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
安藤 恵介 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (70262227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂 志朗 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50205697)
服部 順昭 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 名誉教授 (90115915) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セルロース / CO2レーザ / 分解生成物 / 多糖類 |
Outline of Annual Research Achievements |
多糖の一種であるセルロースを熱分解すると、様々な糖類が得られることが知られている。セルロースの一般的な熱分解法は乾留である。一方、 CO2レーザによる分解法も試みられているが、これにより生じる分解生成物はレボグルコサンが確認されているに過ぎない。そこで、 CO2レーザでセルロースを熱分解したときに得られる分解生成物を高速液体クロマトグラフィーなどで系統的に機器分析した。 試料には定量分析用のろ紙No.6(東洋濾紙製)を用いた。平成25年度はCO2レーザ(ロフィン・バーゼル製、最大出力2.5 kW )を,レンズを通さずに,出力範囲を100~220 Wとして、テーブルを72,100 mm/secで送りながらレーザを照射した。分解生成物は,水に溶解させ,高速液体クロマトグラフィーで分析し,その組成を調べた。その結果、出力の違いによる生成物の構成には大きな違いは見られず、分解生成物の約80%はグルカン鎖が脱水反応してできたレボグルコサンであり、その他フルクトース、 5-HMF、セロビオースなどが得られた。 平成26年度は同じ試料を、気乾、湿潤、水中で浸漬の状態に置き、CO2レーザのパルス光を出力と照射時間を変えレンズを通さずに照射した。その結果、パルス照射ではレボグルコサンの生成割合が53%と低く、パルス照射では、連続照射における照射前半で生じた分解生成物が後半でさらに分解されるという現象が抑制されることから、瞬間加熱・瞬間冷却によって、ろ紙の分解が途中で止まったためと考えられる。また、水中ではオリゴ糖類が多く生成され、レボグルコサン、有機酸とアルコール類は生成されなかったことから、水中では脱水反応が抑制されたことが示唆された。 以上のように、CO2レーザ光によりセルロースをマイクロ秒オーダで分解させ、有用単糖に変換する新しい技術のための基礎的な情報を得ることができた。
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