2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25660134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松下 泰幸 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (60335015)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電解重合 / フェルラ酸 / アクチュエーター |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオマスに含まれるフェルラ酸を原料にし、電解重合によりバイオポリマーを創製することを目的とした。電解液(メタノール/ジクロロメタン(1/4)混合溶媒、電解支持として0.2M過塩素酸リチウム添加)、電極(白金)、電界条件(定電流)などを最適化することにより、薄膜を作成することに成功した。電子顕微鏡観察から、この薄膜は5μm程度の厚さであり、幾層にも重なって形成された層状構造を持つことがわかった。また、細かい球状の塊が集合したフラクタル構造であることも確認できた。電解液の化学分析を行ったところ、大部分は未反応のフェルラ酸であったが、一部、二量体~オリゴマーの画分が検出された。電解液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、ひとつの化合物を単離した。NMR分析により、この化合物はデヒドロジフェルラ酸のエステル化二量体であることが判明した。薄膜を赤外吸収スペクトルに供したところ、電解液から単離したデヒドロジフェルラ酸のエステル化二量体とほぼ同様のスペクトルを示したことから、電解重合によって形成された薄膜はこの二量体がさらに重合したものと考えられる。しかしながら、電解液中にはデヒドロジフェルラ酸のエステル化二量体以外の化合物も含まれており、さらに電解支持薬の由来のリチウム塩を多く含むことから、カルボキシル基も多く残存しているものと推察されたことから、この電解重合薄膜はデヒドロジフェルラ酸のエステル化二量体を中心とした様々な結合様式を持つポリマーだと考えられる。カルボキシル基やリチウム塩を含むことから、この薄膜は導電性を示し、アクチュエーターなどに用いることが可能と思われる。さらに、8-8結合をもつ成分を持つことから、マンマリアンリグナンの前駆物質となり得る可能性があり、ガン抑制剤として応用利用できるかもしれない。
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