2014 Fiscal Year Annual Research Report
木材腐朽菌を用いた医療用ヒト型糖タンパク質生産への挑戦
Project/Area Number |
25660137
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 与一 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70252517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 隆司 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80201200)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 木材腐朽菌 / 糖タンパク質 / 担子菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に研究したヒラタケの生産する野生型マンガンペルオキシダーゼ2(MnP2)のN-結合型糖鎖について、MALDI-TOF MSを用いた構造解析を行った結果、アミノ酸配列から予想される殆どのトリプシン消化断片に対応する分子量に相当するMSが観察された。しかし、推定N-結合型糖鎖結合サイトを含む断片(アミノ酸101-135)の分子質量(2544.24)に相当するMSは検出されず、代わりにその断片にGlcNac2-Hex5を主とした3種類の糖鎖が結合していることが示唆されるMSが観察された。さらに、上記の試料に対して糖鎖の切断処理を行った結果、それらのMSは消失し、新たに糖鎖が除去された場合に予想される分子量に相当するMSが観察された。MS/MS解析を行った結果、推定通り102番目のアスパラギンにGlcNac2-Hex5が結合していることが確認された。このことは、ヒラタケの野生型MnP2は高マンノース型の糖鎖修飾を1箇所のみで受けていることを初めて明らかにしたものである。 一方、人為的なアミノ酸変異により、過酸化水素耐性やpH安定性などが増加し、野生型MnP2に比べて、高い高分子酸化作用を持つに至ったR263Nについては、分子量の増大と糖鎖切断語の挙動によって新たに加わった糖鎖修飾の存在が予想されている。R263Nの新たな糖鎖の構造や修飾位置の確認、酵素活性に与える影響について分析するために、本酵素の精製と糖鎖解析を試みた。繰り返し行った培養実験にもかかわらず、本酵素を必要量生成することができなかったため、本研究実施期間中における解析を行うことはできなかった。また、コレラトキシンのBサブユニットをコードするcDNAを入手し、ヒラタケにおける発現について試そうとしたが、発現プラスミドの導入が確認されず、異種発現ペプチドの生産には至らなかった。
|
Research Products
(3 results)