2015 Fiscal Year Annual Research Report
深海底に残るピロリ菌誕生過程の足跡:祖先型微生物と大型生物の網羅的相互作用解明
Project/Area Number |
25660146
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 聡 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70435832)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 深海底熱水活動域 / 細胞外共生 / 環境応答 / マルチオミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、深海底熱水活動域に見られる特異な『細胞外共生微生物とそのホスト生物』の相互作用を、網羅的に分子レベルで解明することにある。具体的には、日本近海の深海底熱水活動域において採取した深海生物を様々な環境下で飼育し、ホスト生物および共生微生物における発現遺伝子・代謝物質の時系列マルチオミックス解析により、生物毎の生命現象および生物間の相互作用を遺伝子・代謝物質レベルで網羅的に解明するとともに、内部共生および病原性近縁種とホスト生物の間に見られる相互作用と比較検証することにより体系的に理解することを目指している。 平成27年度は、中部沖縄トラフに位置する深海底熱水活動域において、国立研究開発法人海洋研究開発機構の有する船舶・ROVを用いた調査航海に参加した。水深約1000mを超える海底から複数の細胞外共生生物(主にゴエモンコシオリエビと呼ばれる甲殻類 [主に硫黄酸化能を持つイプシロンプロテオバクテリアおよびガンマプロテオバクテリアに属する外部共生微生物を腹部剛毛に有する])を新規に採取し、船上および下船後の飼育環境下にて解析試料を調整することに成功した。現在、当該試料および前年度の航海時に調整した試料を用いて、様々な環境条件下における代謝活性を遺伝子・代謝物質レベルおよび細胞レベルでも解析し、内部共生および病原性近縁種-ホスト生物間の相互作用と比較検証している。なお、以上に関連する成果の一部は複数の学会や国際誌上で報告した。
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Research Products
(3 results)