2014 Fiscal Year Annual Research Report
多核単細胞緑藻に特異的な細胞内容物からの細胞再構築現象の分子機構に関する研究
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25660168
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀 貫治 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (50116662)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 海藻 / 再生 / 分子機構 / 細胞再構築 / 機能分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハネモの特異な再生現象には、内在する2種類のレクチンタンパク質(BPL54、BPL17)の複合体・会合体が鍵化合物として関与することが示唆されているが、その形成機構は不明である。そこで、BPL54(高マンノース含有糖タンパク質)と高マンノース型糖鎖特異的BPL17のレクチン-糖鎖間相互作用に起因して両者の複合体・会合体が形成されるとの仮説を実証することを優先課題とした。 両レクチンおよび他の内在レクチン(BPL11)は抽出・精製中に互いに相互作用する傾向があり、精製が困難であった。そこで、各組換えレクチンの調製を種々試みたが、BPL54については十分量得られなかった。従って、収量は低いものの高純度の天然レクチンを再度得て、以後の実験に供した。BPL54はN-グリコシド型糖鎖付加配列を2カ所有すること、2種類の高マンノース型糖鎖特異的レクチンによるレクチン染色に陽性であることから高マンノース型糖鎖含有糖タンパク質と考えられていた。そこで、糖鎖除去BPL54とBPL17との相互作用を調べるために、BPL54を糖分解酵素処理(Endo HおよびPNGase F)に付したが、同処理前後でBPL54のSDS-PAGEでの挙動に変化は見られず、糖染色にも陰性であることがわかった。BPL54とBPL17は表面プラズモン共鳴法を用いる解析で相互作用が検出されたことから、両者間にはタンパク質-タンパク質相互作用が存在する可能性が示唆される。BPL54とBPL17はそれぞれ単独で加熱処理すると、高分子会合体を形成し、それぞれプロトプラスト形成誘導能をもつことを再確認したが、His/rBc-BPL11には同様の機能は観察されなかった。 このように、BPL54とBPL17の高分子会合体はオルガネラからの細胞再構築に関与するが、会合体の形成機構については実施期間内に明らかにするには至らなかった。
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