2014 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度蓄光剤を用いた超省エネ長日条件で稚魚の成長を促進できるのか
Project/Area Number |
25660170
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
竹村 明洋 琉球大学, 理学部, 教授 (40222103)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蓄光シート / 光周期 / 光受容 / 省エネ / 成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
ルミノーバは暗闇で緑色光を長時間発光する特徴を持つ蓄光性夜光顔料である。本研究の目的は、ルミノーバを従来の人工光源の代わりに利用し、魚類の成長を促進する新たな方法の開発に挑戦することである。熱帯・亜熱帯浅海域を生息中心にもつゴマアイゴとヤイトハタを実験材料として用い、平成26年度には、ゴマアイゴとヤイトハタを用いて以下の実験を進めた。 1)分子生物学的研究 昨年度クローニングした成長関連遺伝子(Insulin-like growth factor: IGF-1)と時計遺伝子(Cryptochrome; Cry1, Cry2, Cry3)の発現解析を行った。IGF-I遺伝子(ゴマアイゴ)の肝臓における発現を飢餓条件と飽食条件で比べた結果、飢餓条件の方が高くなった。Cry遺伝子(ヤイトハタ)のうち、MgCry2遺伝子の発現の月周リズムが間脳と脳下垂体で認められ、この遺伝子が新月時の明期におけるMgCry2の発現量は他の月相の明期のそれよりも高くなった。下垂体におけるMgCryの発現は月光を遮断することにより高くなった。MgCry2は下垂体基底部に強く発現していた。下垂体のこの部位が、光に関係する成長の内分泌制御に関係する可能性があった。 2)広域照射実験 沖縄県栽培漁業センターから分与を受けた当歳魚を、ルミノーバを含んだシート(対照群はルミノーバを含まないシート)で被った水槽で飼育し(広域照射実験)、経時的に体重と体長を測定した。しかしながら、広域照射実験を開始した当初に死亡したため、結果を得るには至らなかった。
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Research Products
(4 results)