2014 Fiscal Year Annual Research Report
水稲の節水栽培と高温障害抑制を両立する水管理手法の開発
Project/Area Number |
25660192
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
藤原 洋一 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (10414038)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水田灌漑 / 高温登熟障害 / 飽水管理 / 地温 / 水温 / 酸化還元電位 / 玄米品質 / 温暖化適応策 |
Outline of Annual Research Achievements |
水稲の節水栽培と高温障害抑制を両立する水管理手法の開発を目指して、湛水させるのではなく土壌を飽和状態に保つ飽水管理の長さが、玄米品質に及ぼす影響を明らかにするために、(1)常時湛水区、(2)田植えから11目落水区、(2)田植えから20日目落水区、(3)田植えから35日目落水区、の4区を設置した栽培試験を試みた。全ての区において、ひとめぼれを採用し、6月11日に田植えを行った。その後、湛水深がおよそ5cmを維持するように湛水管理を行い、プロトコルに従って順次落水した。なお、湛水区においても、9月1日からは落水して収穫作業に備えた。収穫後、玄米品質調査を行った。 まず、整粒率を比較すると、(1)湛水区:60.6%、(2)11日目落水区:62.7%、(3)20日目落水区:61.9、(4)35日目落水区:60.4%となっており、有意差は認められなかったものの、飽水管理の期間が長いほど整粒率が高くなる傾向が見られた。乳白粒率を比較すると、(1)湛水区:7.0%、(2)11日目落水区:6.2%、(3)20日目落水区:6.7%、(4)35日目落水区:9.1%となっており、これに関しても有意差は認められなかったが、飽水管理の長さが長くなると乳白粒率が低下する傾向があった。さらに、その他未熟粒率を比較すると、(1)湛水区:14.8%、(2)11日目落水区:10.1%、(3)20日目落水区:10.9、(4)35日目落水区:9.3%となっており、常時湛水区よりも飽水管理を行った区の方がその他未熟粒率が低下しており、玄米品質が向上していた。
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