2014 Fiscal Year Research-status Report
デジタルカメラによる近紫外画像を用いた水質評価手法の開発に関する研究
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25660193
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中桐 貴生 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (80301430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀野 治彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (30212202)
櫻井 伸治 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (30531032)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デジタルカメラ / 水質評価 / ため池 / 近紫外画像 / 吸光度 / 蛍光光度 / ソフトウェア開発 / COD |
Outline of Annual Research Achievements |
1)水中のCOD濃度と蛍光光度との関係について検討を行った結果,水中のCOD成分が多くなるほど蛍光光度もより強くなることが確認された.この結果によって,前年度の検討において問題となった,「水中のCOD濃度が高くなるほど分光吸光光度計を使って計測した吸光度が高くなる(=より多くの光を吸収してしまう)こと」と,「COD濃度が高くなるほど近紫外画像の輝度値が大きくなる(=水面からより多くの光が反射される)こと」の間に生じている矛盾が解消された. 2)実際のため池の水面を撮影した際に水面に写ってしまう池周辺地物の影(ビルや木など)や乱反射による水面のちらつきといったノイズによる影響について検討を行った.画像から得た近紫外光の輝度とCOD濃度との相関をより明確にするためには,画像内の影やちらつきが含まれるピクセルを除外してから輝度値を抽出することが有効であることが明らかとなった. 3)2)の結果を踏まえ,水面に写っている大きな影については,解析前にトリミング処理等で除外し,画像内に細かく散乱するちらつきについては,プログラムを使った自動処理時にしきい値を設定してピクセル単位でちらつきの有無を判定し,ちらつきが含まれるピクセルを除外させた後,水面全体の代表輝度値を計算するという方法が現実的であると判断された.そこでこの処理手順と整合したVBAプログラムの開発を行った. 4)近年,デジタルカメラは非可視域(紫外および赤外)の感度を意図的に低くするように開発が進められているとのことであったが,比較的最近の市販製品でも,今回対象としている340~400nm付近の波長域の光に対してはある程度の感度をまだ有していることがわかった.したがって,本研究成果は最近製造販売されているデジタルカメラでも有効であると思われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度においてやや遅れた分だけ,平行して遅れたような状況となった.ただし,現時点では最終的に致命的となる程の遅れではないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には,初年度において作成した計画に従って研究を遂行していく予定である.現地調査は2年目でおおよそ終えてしまう予定であったが,結果の信頼性を担保するのに十分なデータが得られたとは言えないため,最終年度においても継続して調査を行う予定である.また,ソフトウェア開発にも重点を置くことを予定している.
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Causes of Carryover |
最終年度においても当初の予定より多くの水質調査を行うこととにしたため,それにかかる費用分を次年度に回すことにした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については,おおよそ全てを水質調査用に使用する予定である.
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