2015 Fiscal Year Annual Research Report
大自由度離散力学系において観測される低次元非線形ダイナミクスの創発メカニズム抽出
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25660204
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
酒井 憲司 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40192083)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非線形力学 / 同期 / 共通ノイズ / 土壌破壊 / 脈波 / サロゲーション / 遷移誤差 / カオス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、前年度に受理されていた国際誌論文を2件出版するとともに、1件をオープンアクセスとした。更に、2件の国際学会の招待講演を行うとともに、国際学会議事録として出版公表した。 共同研究者であるカリフォルニア大学デービス校および本学附属農場において取得した土壌切削パターンのデータベースに対して、包括的な非線形時系列解析を実施した。時間遅れ埋め込み、FNNによる埋め込み次元推定、遷移誤差推定、サロゲートアルゴリズムによる決定性の判定、局所ベクトル場内積平均値などを用いた。さらに、本研究チームが開発した、決定論的非線形予測と自己相関関数の比である、DNP/ACPの有効性を示した。供試した4つの土壌条件のデータは、カラードノイズが混入したものであり、決定性の貢献度の定量的検出が安定的に行われる必要があった。Lorenz63のデータに対してノイズを付加した参照データを作成し、それらと実データとの比較から、決定性の存在程度を定性的に把握した。その結果、Tilled Dry(TD)条件下では、決定性が優位に存在しうることが示された。脈波解析にも同様なアプローチを採用し、その有効性を示した。また、温州ミカンの隔年結果が国内市場レベルというマクロな階層で発生している現象を、共非線形集団力学系の通ノイズ印加による同期現象であることを示し、原著論文として出版した。これまでに、3件の国際学会誌、1件の国内学会誌、5件の国際会議議事録(プロシーディングス)に公表した。米国生物農業工学会、NOLTA2014およびNOLTA2015などの国際会議、国内の農業食料工学会において口頭発表を行った
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