2013 Fiscal Year Research-status Report
植物共生微生物群集構造解析のための光センシング技術の開発
Project/Area Number |
25660207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
平藤 雅之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター畑作研究領域, 領域長 (00370495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 成志 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター畑作研究領域, 主任研究員 (20396609)
西中 未央 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター畑作研究領域, 研究員 (90586158)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スペクトラム / センサーネットワーク / 共生微生物群集 / DNA / メタボローム / 光センシング / フェノミクス / 動態 |
Research Abstract |
土壌水分、土壌温度、光強度等を作物群落中でリアルタイムに測定し、インターネット経由でパブリッククラウド(Twitter等)に記録できるOpen-FS(フィールドセンサネットワーク用デバイス)を試作した。これを、北海道農業研究センター芽室研究拠点の育種圃場二カ所に設置に設置して長期稼働実験を行った。バレイショ育種圃場では防風林によって無線LANの電波が遮蔽され、通信が出来なかった。てん菜育種圃場では通信できたが、通信経路上にある民間の農場でナガイモ栽培が始まると、電波が遮蔽されて通信が不安定になった。ナガイモがある程度成長すると電波の干渉が弱まり、通信が一時復帰したが、さらに成長すると途絶した。野外における植物体の電波干渉に関する興味深い知見が得られた。 通信に関するこれらの問題を根本的に解決するため、3G/LTE回線を用いてインターネットに接続できるOpen-FSを開発した。さらに、円筒型筐体の表面にフレキシブルな太陽電池を貼付してオールインワン化を徹底し、防除作業時の移設を容易にした。このOpen-FSは冬期の積雪条件下でも安定的に稼働できることを明らかにした。また、光スペクトラムを測定するセンサの試作を行い、Open-FSに搭載できる見込みを得た。 これらの試作・実験と並行してバレイショ葉を時系列的にサンプリングし、ハイパースペクトルカメラで撮影した。撮影済みのサンプルを冷凍保存し、DNAによる共生微生物相に関する解析ができるようにした。さらにこのサンプルを分け、他のプロジェクトと連携してメタボローム解析及びNMR測定を行えるようにした。これらの解析では、1サンプルが膨大な数の変数を有する超多次元データが得られる。このようなデータに対しては主成分分析やPLS回帰分析が有効であるため、次年度はこれらを用いた解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長期野外設置におけるセンサネットワークによる問題をほぼ解決できた。また、バレイショ葉のサンプリング及びスペクトラムデータの測定ができた。当初は予定していなかったメタボローム解析やNMRのデータが他の研究グループとの連携で得られつつあり、超多次元データとして情報量が格段に増えた。 ハイパースペクトルカメラによるスペクトラム測定では、バレイショ葉に照射する光の影響による誤差が大きいが、画像としてデータを取得しているため、得られた情報量は膨大である。
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Strategy for Future Research Activity |
3G/LTE回線を用いてインターネットに接続できるOpen-FSにR/FRを測定できる光センサを搭載する。 バレイショ葉のハイパースペクトルカメラで撮影した画像データ、共生微生物群集に関するDNAデータ、メタボローム解析データ、NMR測定データを主成分分析やPLS回帰分析を用いて解析する。 ハイパースペクトルカメラでは共生微生物群集等に関するデータを野外で長期連続的に測定するのは難しいため、Open-FSに搭載できる超小型光センサ(MEMS型センサ、特定の波長のみを測定する光センサ、超小型レーザープロジェクタを利用した3波長励起蛍光計測等)の利用を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に多波長センシングシステム及びセンサネットワークの開発・試作、育種圃場におけるセンサネットワークの設置、バレイショ葉のサンプリング、ハイパースペクトルカメラによる計測、サンプリングした葉のDNAシーケンス解析までを試み、問題点を抽出しようと考えたが、DNAシーケンサ不調のためサンプルを冷凍保存し、DNAシーケンス解析は次年度に回すことにしたため。 北海道農業研究センターで保有しているDNAシーケンサは使用不能なため、業者委託によるシーケンス解析を行う。そのため、解析費用が当初の予定よりも嵩むことから、次年度のサンプル数を大幅に減らし、昨年度のサンプルをメインにしてDNAシーケンス解析を行う。 多波長センシングシステム及びセンサネットワークの開発・試作等に関しては、当初の予定通りの研究を行う。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] Agricultural Big Data for Field Phenomics2013
Author(s)
Masayuki Hirafuji,Yasuyuki Hamada, Tomokazu Yoshida, Takuji Kiura, Atsushi Itoh,Kazunori Taguchi, Kenji Asano, Hiroyuki Tsuji, Seishi Ikeda, Mio Nishinaka, Ryo Sugiura, Kiyoshi Honda
Organizer
PhenoDays 2013
Place of Presentation
Kasteel Vaalsbroek Vaals, The Netherlands
Year and Date
20131016-20131018
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[Presentation] 大規模農業のための広域計測及びフェノミクスのための高密度計測を行うセンサクラウドシステムの試用実験と評価2013
Author(s)
平藤雅之,世一秀雄,伊藤淳士,杉浦綾,濱田安之,澁谷幸憲,池田成志,西中未央,田口和憲,辻博之
Organizer
農業食料工学会第72回年次大会
Place of Presentation
北海道, 帯広畜産大学
Year and Date
20130910-20130913
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