2014 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類精子におけるオキシトシンの新規機能解明と生殖技術への応用
Project/Area Number |
25660215
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
柏崎 直巳 麻布大学, 獣医学部, 教授 (90298232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 潤哉 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (30454143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精子 / 凍結保存 / オキシトシン / オキシトシンレセプター / 運動精子率 / 凍結融解精子 / ラット / ブタ |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に、凍結保存(融解)後の精子運動性は低く、さらにその受精能も低い。ラット非外科的人工授精時にオキシトシン(OXT)を雌の腹腔内投与することにより、注入凍結融解精子の卵管への輸送数が増加し、妊娠率が向上、その産仔数も増加する。そこで、精子凍結保存後の効率的な個体復元法の開発を目的に、ラット凍結融解精子のメディウムR1ECMに様々な濃度の生物由来OXT(Hormone OXT)もしくは合成ペプチドのOXT(Peptide OXT)を添加して、その精子運動性(精子の運動率と前進率)を調べた。その結果、融解5時間目の10 nM Peptide OXT添加メディウムの精子運動率は、無添加の対照区よりも有意に(P < 0.05)高い値を示した。そして、この10 nM Peptide OXT添加メディウムを融解液として用いて、ラット凍結精液の外科的人工授精を実施し、その10 nM Peptide OXT添加融解液に感作させた凍結精液から産子作出を確認した。この本研究の結果より、Peptide OXTをラット凍結融解精子に感作させることで、その精子運動性を改善させ、新たな人工授精法の応用の可能性が示唆された。さらに、ブタ凍結融解精子についても同様な実験を実施したが、OXTが精子運動性に対する効果は認められなかった。ラット精子におけるOXTレセプターの存在、その分布を調べる目的で、OXTレセプター遺伝子の発現をRT-PCRによって解析した。また、Western Blotting法によりそのタンパク質を検出し、免疫抗体染色法でその局在を調べた。その結果、ラット凍結融解精子でOXTレセプター遺伝子が発現しており、OXTレセプタータンパク質が存在することが確認され、さらに、精子尾部の主部および終末部に局在することが明らかになった。
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[Journal Article] The effect of M-phase stage-dependent kinase inhibitors on inositol 1,4,5-trisphosphate receptor 1 (IP3R1) expression and localization in pig oocytes2015
Author(s)
Sathanawongs A, Fujiwara K, Kato T, Hirose M, Kamoshita M, Wojcikiewicz RJ, Parys JB, Ito J, Kashiwazaki N
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Journal Title
Animal Science Journal
Volume: 86
Pages: 138-147
DOI
Peer Reviewed
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[Book] カラーアトラス 動物発生学「第5章 受精」2014
Author(s)
翻訳 伊藤 潤哉 他, 編著 Poul Hyttel, Fred Sinowatz, Morten Vejlsted, 編集協力 Keith Betteridge, 監訳 山本雅子, 谷口和美
Total Pages
504(63-75)
Publisher
緑書房