2014 Fiscal Year Annual Research Report
磁気研磨法を用いた超平滑サニタリーパイプによる乳タンパク質の洗浄性向上
Project/Area Number |
25660217
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
梅津 一孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20203581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 一高 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50396256)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ステンレスパイプ / 洗浄性 / 磁気研磨 / 表面粗さ / 牛乳 |
Outline of Annual Research Achievements |
酪農業や乳製品加工業ではステンレスパイプを多用するが,牛乳汚れが付着しやすく,洗浄関連コストや排出される洗浄水の環境負荷が問題となっている。ステンレスパイプは,内部表面を観察することが容易ではないため,プレートと比較すると洗浄に関する知見も多くはない。本研究では,磁気研磨法で平滑化させたステンレスパイプによる牛乳汚れの洗浄性向上を目的とし,表面粗さと洗浄性との関係について検討を行った。実験では,従来のサニタリーパイプと比較すると表面粗さを1/10以下まで低減させた平滑化パイプを,牛乳や洗浄水を一定条件で流すことができる装置に組み込み,汚れ付着試験(ファウリング)およびクリーニング試験を実施した。クリーニング試験では洗剤ではなく脱イオン水を用いた。クリーニング後にステンレスパイプ内部に残留した牛乳汚れ成分を,超音波振動子を用いて溶液に溶出させ,溶出液を分析することによって洗浄性を評価した。 一般パイプ,サニタリーステンレスパイプ,磁気研磨パイプを用いて40℃の牛乳汚れの洗浄性を評価したところ,クリーニング液が層流の条件では,表面粗さが小さいほど溶出液の牛乳濃度やタンパク質濃度が低い傾向にあり,洗浄性の向上が確認された。磁気研磨法によって平滑化させたステンレスパイプ表面に付着した牛乳汚れは,界面流動を利用することによって洗浄性が向上する可能性を示した。この知見は,洗剤に頼ることなく乳タンパク質を含む牛乳汚れの洗浄性向上の可能性を示唆するものである。
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