2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25660220
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
室谷 進 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所 畜産物研究領域, 上席研究員 (50355062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩 達朗 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所 畜産物研究領域, 主任研究員 (00510257)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 牛乳 / microRNA / 体細胞数 |
Outline of Annual Research Achievements |
牛乳中エクソソームをヒト由来腸管上皮細胞株Caco2培養系に添加し、遺伝子発現に及ぼす影響をマイクロアレイ解析により網羅的に調べた。その結果、ノンコーディングRNAをコードする遺伝子を含む複数の発現変動が認められた。 一方、畜産草地研究所内産のホルスタイン種牛乳30個体分について、ミルコスキャンにより体細胞数を測定し、体細胞数の高い牛群5頭と低い牛群5頭を選別し、牛乳に多いmicroRNAの発現について牛群間で比較した。その結果、bta-let-7b、bta-miR-30a-5pについては高い体細胞数の群で低い細胞数の群に比べて乳中で有意に高い発現レベルを示していた(P < 0.05)。また、bta-miR-191-5p、bta-miR-320a、bta-miR-339-5pについても同様の傾向を示していた(P < 0.10)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト由来腸管上皮細胞株Caco2培養系に牛乳中エクソソームを添加した実験では、遺伝子発現に及ぼす影響をマイクロアレイにより解析したが、定量的PCRでは発現変動が認められたDNAメチルトランスフェラーゼ3Bをはじめとする多くの遺伝子について、エクソソーム添加による影響が再現できなかった。この違いの理由として、一つには血清のロットが実験間で変わったためと考えられた。問題解決のために実験条件を変更するなどして実験を繰り返すことに時間を費やした。エクソソーム添加の影響が再現できなかったため、Caco2培養系を用いた実験を中止した。
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Strategy for Future Research Activity |
Caco2に牛乳エクソソームを添加する実験系にはエクソソームを含まない血清が必須であるが、高価でかつロットを選べないために問題の解決が難しい。そこで今後は方針を変え、ウシ乳腺上皮細胞が牛乳中に多いmicroRNAを発現、分泌する過程を解析することとした。
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Causes of Carryover |
当初計画に基づき、Caco2細胞に牛乳由来のエクソソームを添加しマイクロアレイによる遺伝子発現変動を解析したが、スクリーニングされた遺伝子について定量的PCRでの結果では再現性が得られなかったため、microRNAをCaco2細胞に導入する計画を変更することとしたため、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度残額については、乳腺上皮細胞株で発現するmicroRNAの解析で実施するPCR関連試薬の購入に充てる予定である。
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