2014 Fiscal Year Annual Research Report
血管慢性炎症性変化の再構築による動脈硬化発症機序の時空間的解析
Project/Area Number |
25660233
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山脇 英之 北里大学, 獣医学部, 教授 (60399607)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 薬理学 / 血管 / 病態 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化症は病理学的観点から、これまで血管系における慢性炎症性病変として捉えられてきたが、その時間・空間的制御機構の詳細は明らかにされることはこれまでなかった。したがって本研究課題は、動脈硬化症の主要病変てある血管の慢性炎症性変化を再構築し、その時間・空間的制御機構を検討することで、動脈硬化症の病態メカニズムの解明に挑戦することを目的とした。このために、(1)動脈硬化症の初期病変である白血球-内皮細胞間接着の構築、(2)単球・マクロファージによる酸化脂質の貪食と遊走の誘導、(3)中膜平滑筋細胞の遊走・増殖の誘導、(4)血管周囲外膜に栄養血管を再構築すること、などを立案・計画した。本年度は上記のうち特に(1)と(3)に関して予備的な結果を得ることができた。(1)に関しては、in vitro系において白血球-内皮細胞間接着を刺激するサイトカインを新たに同定することができた。(3)に関しては、動脈硬化をおこした血管に発現することが知られているサイトカインbrain-derived neurotrophic factor (BDNF:神経栄養因子)が血管平滑筋細胞において増殖を刺激する傾向を示すという予備的結果を得た。BDNFに関しては昨年度、血管内皮細胞において増殖および遊走を促進することで血管新生を誘導することを報告しており、おそらく動脈硬化症の病態に何らかの関わりがあることが示唆される。
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Research Products
(2 results)