2013 Fiscal Year Research-status Report
造血系細胞の分化成熟を規定する細胞内コレステロールの調節機構とその制御法の確立
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25660234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 耕太 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 准教授 (50283974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 睦 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 教授 (00183179)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 赤血球 / 遺伝性疾患 / コレステロール / 犬 |
Research Abstract |
成熟犬赤血球はNa,K-ATPaseを持たず、細胞内低K+(LK型)となるが、一部の日本犬では、Na,K-ATPaseを持ち、細胞内高K+(HK型)など幼若赤血球と類似した形質が見られる。常染色体劣性の様式で遺伝するHK形質の発現機構は明らかでなく、本研究では、その原因遺伝子と分子機構の解明を目的とした。 【方法】HK型個体を含む犬家系についてゲノムワイドSNP関連解析を実施し、その原因遺伝子座と遺伝子を特定し、同定した遺伝子産物を培養細胞に発現させて機能解析を試みた。 【結果】HK形質と強く相関するSNPは犬第12番染色体9.7 Mb付近に存在したことから、この領域の遺伝子群について全エクソンの塩基配列を解読した。HK個体ではTranslocator protein 2 (TSPO2) 遺伝子にC40Y変異あるいはV89F/ΔF98/T120I (VFT) 三重変異が見出され、HK型個体を含む家系犬において変異アレルの保有状況と形質が完全に一致したことから、HK形質の原因はTSPO2遺伝子変異であり、C40Yアレルホモ接合あるいはVFTアレルとのコンパウンドヘテロ接合により生じることが明らかになった。さらに、TSPO2発現K562細胞における細胞内コレステロール分布をFilipin染色により比較したところ、野生型と変異型TSPO2発現細胞で異なる分布を示した。このことから、TSPO2は細胞内コレステロール輸送に関与し、変異により機能異常が生じることが示唆された。 【総括】犬赤血球におけるHK形質の原因はTSPO2遺伝子の変異であり、コレステロール輸送異常がHK型形質の発現に関与するものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の変異体の機能解析を実施し、コレステロールの細胞内分布異常が当該遺伝形質の原因となることを明らかにした事、ならびに、この機能解析およびその赤芽球分化に及ぼす影響を明らかにするための赤芽球系細胞株を確立できたことから。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は遺伝子改変動物の作製に重点を置き、トランスジェニックではなくノックアウトマウス作製の準備を実施している。もし、当該動物が胎性致死であった場合は、変異遺伝子のノックインマウスの作製に予定を変更する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子改変動物作製費用を計上していたが、ノックアウト用ベクターの準備に時間を要したために実施できなかった。 ノックアウトマウス作製費用90万円を計上し、昨年度より繰り越した90万円を充てる。
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Research Products
(4 results)