2013 Fiscal Year Research-status Report
移行抗体存在下で利用できる子牛用ネオスポラ血清診断系の確立
Project/Area Number |
25660238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高島 康弘 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20333552)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ネオスポラ |
Research Abstract |
牛ネオスポラ症はオスポラ原虫に起因する流死産を主徴とする疾病でわが国にも広く浸潤している。しかし感染胎子のすべてが流産するわけではなく、無症状潜伏感染の状態で生まれる子牛も多い。このような無症状感染牛が後に繁殖用母牛として利用され、さらに次世代の牛へ原虫を引き継ぐことで被害は長期化する。この悪循環を断ち切るには、牛が繁殖年齢に達する前の段階で無症状感染個体を摘発し、これを繁殖に用いない体制を確立する必要がある。さらに牛の商習慣や経済性を勘案すれば、無症状感染牛を摘発するのは子牛市場で売買される前の段階が望ましい。しかしこの段階では母親からの移行抗体の影響があるため既存の血清学的診断法が利用できない。そこで本研究では新生子牛にも利用できる「移行抗体の影響を受けないネオスポラ血清診断法」の確立をめざす。本年度においてはこのような検査の対象となりうる抗原の検索を行い、候補となる抗原を1種類明らかにすると共に、他にも未同定の数種類の候補があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標とする抗原の特定がほぼ順調に進んでいる。検体の獲得についても大きな問題は生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた候補抗原を用いた検査系の詳細を詰めると共に、未同定の抗原の同定を行う。その上で新生子牛の診断を試み、確立した検査系の感度と特異度を検証する。具体的には以下の通り。同定された診断抗原候補をコードするcDNAを作成し、これを大腸菌発現系で大量発現させる。得られた抗原をELISA用プレートに貼り付け、ELISAを実施する。野外サンプルについて、「母牛血清と初乳に含まれる抗体は反応しない」が「初乳接種の有無にかかわらず子牛血清に含まれる抗体反応する」抗原を絞り込む
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
候補抗原の同定にやや時間がかかり、次の実験に着手できない部分があったため支出が予定より小額であった。一方、子牛出生後の抗体価の変動については既に解析が進んでいるため、実験そのものの進行状況については大きな遅れはない。 25年度終盤から多くの抗原について次の段階に進めるまでに研究が展開しており、H26年度前半にこれらの解析を行うため物品、試薬等の購入に使用する。
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