2013 Fiscal Year Research-status Report
マウス初期胚エピゲノム変換に資するプロモーター非コードRNA機能の解明
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25660250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今村 拓也 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90390682)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 初期胚 / リプログラミング / ノンコーディング / RNA / DNAメチル化 |
Research Abstract |
本研究では、マウス初期胚の次世代シーケンサー解析から得られた一本鎖の非コードRNA(ncRNA)について、ゲノム配列特異的エピジェネティクス変換に係る機能性を解析し、これを基礎として、RNAを利用した人為操作胚の質的向上に向けて、マウス受精卵等を用いて検討している。本年度は、次世代シーケンサー解析からの初期胚型プロモーターncRNA(pancRNA)含有遺伝子のスクリーニング、に大きな進展があった。当該課題が文科省新学術領域「ゲノム支援」の支援課題にも選ばれたため、マウス微量RNAサンプルからイルミナ社HiSeq2000を用いたdirectional RNA-Seq解析を強力に進めた。マウス初期発生胚のダイレクショナルトランスクリプトーム解析を行い、受精前後で発現するpancRNAについて網羅したところ、1000を超えるpancRNAを発見した。これらのpancRNAと遺伝子発現の間に高い正の相関が認められたことから、pancRNAが受精後、ゲノムワイドに遺伝子発現を亢進していることが示唆された。 上記の網羅的解析において最も高い発現を示した、Il17d遺伝子のプロモーター領域から転写されるpancRNAについて、直下の遺伝子活性化能を検定したところ、予想通り、pancRNAノックダウンによりプロモーター領域が有意に高メチル化を起こし、対応遺伝子の発現量が低下した。このpancRNAによる配列特異的DNA脱メチル化にはTet3や塩基除去修復関連因子が関与することも分かった。pancRNAノックダウンにより、桑実胚期に異所性のアポトーシスが起こり、78.5%の胚が胚盤胞期までに死亡したが、このノックダウン効果はリコンビナントIL17D添加により起こらなくなったことから、確かにpancRNAが「配列特異的」にIl17dプロモーターを「活性化」することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、[1]pancRNA依存性DNA脱メチル化反応における初期胚型pancRNAの作用機序同定、及び、[2]初期胚における配列特異的DNA脱メチル化反応の再構成と胚への応用、の2点を進行するが、本年度前半に100細胞という少量からの安定的cDNAライブラリー作製法に注力した結果、初期胚型pancRNAの同定が予想以上に早く進行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
[1]pancRNA依存性DNA脱メチル化反応における初期胚型pancRNAの作用機序同定、及び、[2]初期胚における配列特異的DNA脱メチル化反応の再構成と胚への応用、のうち、今年度に項目[1]で得られた情報をもとに、項目[2]の研究を効率よく推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に行う予定だった、次世代シーケンサーによるRNA解析について、大部分を本年度に前倒して行うことが出来たため、こちらに注力した。その分、受精卵を用いた表現型解析の一部を一部次年度にまわすことになったため。 次世代シーケンサーによるRNA解析に大きく後戻りする必要がなくなったため、次年度は受精卵を用いた表現型解析に確実かつ効率的に注力することで、課題目標を達成する。
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Research Products
(5 results)