2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25660253
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮野 隆 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80200195)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 卵母細胞 / 受精卵 / 核小体 / 体外培養 / 顕微操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の卵母細胞および初期胚の核小体は体細胞の核小体とは異なり,大きく緊密な構造をしており,nucleolus precursor body (NPB)と呼ばれる。卵母細胞からこの核小体を除去しても,卵母細胞は成熟し,受精するが,受精卵には核小体が形成されないことから,受精卵の核小体は卵母細胞の核小体に由来すると考えられる。また,初期胚の発生過程でNPBは体細胞型の核小体へと変化していくことから,体細胞の核小体はNPBに由来すると考えられる。本研究では,マウスの受精卵およびブタの単為発生1細胞期胚の核小体を顕微操作によって除去し,発生させた。その結果,マウスの脱核小体受精卵およびブタの脱核小体1細胞期胚は胚盤胞へと発生し,マウスでは移植後,産仔へと発生した。緑色蛍光蛋白質EGFPと赤色蛍光蛋白質mCherryでそれぞれ標識したNPM2-EGFPあるいはB23-EGFPとヒストンH2B-mCherryのmRNAをマウス卵母細胞に顕微注入した後,受精させ,前核期に脱核小体したところ,脱核小体受精卵は,胚の発生過程で体細胞型の核小体を形成することが明らかになった。これらの結果は,受精卵の核小体(NPB)は胚発生には必要なく,胚は自ら体細胞型の核小体を形成しうることを示唆している。また,卵母細胞から核小体を除去した後,成熟,受精させた胚は,発生を途中で停止することから,卵母細胞の核小体は胚発生に必須であると考えられており,本研究結果と考え合わせれば,核小体は発生開始の極めて初期にのみ機能すると考えられる。
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Research Products
(4 results)