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2013 Fiscal Year Research-status Report

植物気孔形態の可変性:何のために変化するのか?

Research Project

Project/Area Number 25660277
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

矢野 勝也  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00283424)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords気孔形態 / 環境応答 / 栄養環境 / CO2
Research Abstract

植物は下位葉が経験した生育環境に応じていて新葉の気孔形態を変化させることができる。この気孔形態の変化にどのような意義があるのか、言い換えれば何のために気孔形態を調節するのかはよくわかっていない。そこで本研究では、Rubisco-CO2バランスを是正するために気孔形態が変化している、という仮説の検証を目的とした。
グロースチャンバー内でオオムギ・ダイズ・ハツカダイコン・ソルガムを水耕で栽培した。温度は明期30℃・暗期25℃、湿度60%、12 時間日長とした。栽培開始後2週間はF区(5倍希釈ホーグランド液)、低CO2区(CO2制御なし)で栽培した。その後2週間はF区・P-区・N-区水耕液に移植し、各種半数の個体を高CO2区(800ppm)とし、残りは引き続き低CO2区で栽培した。収穫直前に上位葉表面にマニキュアを塗布し、気孔形態の調査・計測を行った。また、下位葉でのRubisco-CO2バランスを評価するために最上位展開葉の13C/12C比を測定し、気孔形態との相関を解析した。
各植物は移植後の環境変化に応答して成長を変化させた。気孔指数(表皮細胞数当たりの気孔数)の変化は種により異なる一方で、どの植物種も栄養欠乏に陥るほど気孔密度(葉面積当たりの気孔数)は増加し小さい孔辺細胞を形成する傾向を示した。また、気孔密度と孔辺細胞の大きさには負の相関が認められた。また、低CO2区においては最上位展開葉の13C/12C比と気孔密度の間には有意な相関があり、下位葉でRubisco活性に対しCO2が不足するほど上位葉の気孔密度が増加していた。この結果は仮説を支持するものであったが、高CO2区では仮説では説明困難な結果も得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Rubisco活性および葉内CO2濃度を変化させて、異なるRubisco-CO2需給バランスを創出することを目的に、グロースチャンバーを用いてCO2濃度を制御しつつ、N・P施肥レベルを変えて植物を生育させ、その結果気孔形態がどの程度変化するか、また変化した気孔形態と葉身13C/12C比との相関が存在するかを解析した。本年度に予定していた実験をおおむね実施できたため、順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

高CO2条件では仮説と矛盾する現象が認められた。この原因として、高CO2条件にするために付加した炭酸ガスそのものの13C/12C比が大気に比べて高いことや、栄養欠乏条件が激しすぎた可能性がある。そこで次年度は、これらの点に注意を払いながらさらに検証を続けることとする。

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Published: 2015-05-28  

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