2014 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの器官改変頻度を上昇させるsimjangの機能
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25670019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉田 祥一朗 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90221944)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、ショウジョウバエの複眼原基で、遺伝子発現状況を変えることで、複眼を翅、肢、触角に改変できることを見いだしている。そして、この系を用いて器官改変頻度を著しく上昇させる遺伝子simjangを同定した。本研究では、(1)Mi-2/NuRD複合体の構成因子であるSimjangが器官改変頻度を上昇させる際に、Mi-2/NuRD複合体を介して作用しているのかどうか、(2)複眼原基でのsimjangの強制発現により誘導される遺伝子発現の変化をゲノムワイドに調べ、Simjangが「発生プログラム」の初期化に関わるのかどうか、を明らかにすることを目的としている。 昨年度は、Mi-2/NuRD複合体においてSimjangタンパク質と拮抗すると予想される因子の発現抑制により、器官改変頻度が上昇することが明らかとなり、Simjangが器官改変頻度を上昇させる際に、Mi-2/NuRD複合体を介して作用していることが示唆された。さらに、simjangを複眼原基の既に分化した細胞で発現させ、分化マーカーの発現と細胞分裂の有無を調べたところ、Simjangが「発生プログラム」の初期化を行うか、未分化状態の維持を行っていることが示唆された。そこで本年度は、複眼原基でsimjangを発現させて、遺伝子発現の変化をゲノムワイドに調べた。その結果、複眼の形成に必要な遺伝子の発現が一斉に抑制されている一方で、生殖細胞系列で特異的に発現している遺伝子群の異所的な発現が誘導されていた。さらに、これらの生殖細胞系列遺伝子の発現が、simjangによる器官改変頻度の上昇に必要であることが明らかとなった。これらの結果は、Simjangが、未分化状態の維持ではなく「発生プログラム」の初期化を行うことで、器官改変頻度の上昇をもたらしていることを示唆している。
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Research Products
(3 results)