2014 Fiscal Year Research-status Report
Notchシグナルの人為操作を目指した新規ツールと活性測定法の創出
Project/Area Number |
25670020
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 素行 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20377906)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | Notch |
Outline of Annual Research Achievements |
Notchシグナルは様々な組織の発生に関わる重要な細胞間シグナル伝達経路の一つである。従って、Notchシグナルを人為的操作することができれば、胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞などの多能性細胞から目的細胞への分化誘導法として、有用である。しかしながら、Notchシグナル伝達経路の人為的制御手段は不足しており、より挑戦的かつ網羅的な研究が必要である。本研究では、この問題を解決するため、1)Notchシグナルを活性化・阻害するツールの作製、2)Notchシグナルの定量的かつ経時的活性測定系の樹立、3)in vitro 細胞分化系細胞へ1)で作製したツールの分化系列かつ時期特異的添加による分化制御の検証を行い、Notchシグナル調節による細胞分化の人為的操作法の樹立を目的とする。本年度は、 1)固相化リガンドタンパク質の作製:固相化Jagged1タンパク質の作製およびDelta4リガンドの部分断片を含むタンパク質の経時的活性測定を行った。その結果、Delta4, Jagged1固相化タンパク質により、活性化がおこること、2) Jagged1, Delta4リガンドの部分断片により活性化には領域特異性があること、異なる細胞では、Jagged、Delta4リガンドタンパク質による応答が異なることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、Notchシグナル伝達経路の人為的制御手段不足問題を解決するため、1)Notchシグナルを活性化・阻害するツールの作製、2)Notchシグナルの定量的かつ経時的活性測定系の樹立、3)in vitro 細胞分化系細胞へ1)で作製したツールの分化制御活性の検証により、Notchシグナル調節による細胞分化の人為的操作法の樹立を目的としているが、現時点で、1)Notchシグナルを活性化・阻害するツールの作製を確立し、2)Notchシグナルの定量的かつ経時的活性測定系を複数細胞種で確立した。ただし、1)の一部計画については、遅れているため、27年度で引き続き検討するとともに、3)in vitro 細胞分化系細胞へ1)で作製したツールの分化制御活性の検証を行う予定にしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
固相化リガンドタンパク質の作製:26年度に引き続き、1)Delta4, Jagged1固相化リガンドタンパク質の作製と最小断片化を行う。2)リガンドタンパク質によるNotchシグナル応答を内在性遺伝子発現変化を測定し、経時的活性測定系との相違を解析する。3)in vitro細胞分化系に対して、固相化リガンドタンパク質を添加し、既存のNotchシグナル活性化手法と比較する。断片化により活性の変化したリガンドタンパク質化がリガンド発現細胞による活性化手法と定性、定量的に相違があるのかどうかを解析する。
|
Causes of Carryover |
計画研究 Notchリガンドファージ抗体作製について、 Delta1, Jagged1,2 抗体スクリーニングを行う計画では、検討を行ったが、作製に至っておらず、見込まれていた計画の一部に未実施の点があるため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画研究 Notchリガンドファージ抗体作製について、さらに検討を行うための物品費に使用する予定である。
|