2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠井 淳司 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (40454649)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | miRNA / 神経幹細胞 / 運命決定 / BMP |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、BMP (bone morphogenetic protein) アンタゴニストであるnogginが神経幹細胞以前の段階の細胞に作用し、機能的な5-HT神経細胞を選択的に分化誘導することを見出してきた。また近年、iPS細胞分化時の継時的なmiRNAプロファイリングにより、運命決定細胞へのシフトは段階的に行われ、かつ一方向性だけではなく両方向性の形質決定にmiRNAが重要な役割を担っていることが見出されてきた。これらのことから、種々特定細胞への分化誘導法から得られる神経幹細胞の miRNA 発現プロファイルを比較解析することにより、これまで受容されてきた神経幹細胞という範疇をさらに細分化することが出来ると考えられる。そこで、本研究では、神経分化誘導法としてよく用いられるStromal Cell-Derived Inducing Activity(SDIA)法、および独自に開発したセロトニン神経分化誘導法により分化誘導した神経幹細胞の網羅的なmiRNA発現解析を行った。その結果、いずれの分化誘導法においても、nogginは神経幹細胞以前の段階で作用し5-HT神経分化を促進させること、また、nogginは共通してmiR-290クラスターに属するmiRNAの発現を低下させ、数種類のmiRNAの発現を上昇させた。これらの結果は、nogginが神経幹細胞以前の段階で作用を発揮し5-HT神経分化を促進することを改めて示しただけではなく、神経幹細胞が分化指向性を有することを示した、現在までの概念を変える可能性を示唆するものである。また神経幹細胞の多能性に極性を与えるマーカーとなるmiRNAの同定に成功しており、今後それらのmiRNAの機能を解析することで、未だ不明な点の多い幹細胞研究がますます発展するものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Identification of the role of BMP and TGF-β signaling in the trajectory of serotonergic differentiation in a rapid assay in mouse embryonic stem cells in vitro2015
Author(s)
Atsushi Yamasaki1, Atsushi Kasai1, Akihiro Toi1, Maki Kurita1, Saki Kimoto, Atsuko Hayata-Takano, Takanobu Nakazawa, Kazuki Nagayasu, Norihito Shintani, Ryota Hashimoto, Akira Ito, Herbert Y. Meltzer, Yukio Ago, James A. Waschek, Yusuke Onaka, Toshio Matsuda, Akemichi Baba, Hitoshi Hashimoto
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Journal Title
J Neurochem
Volume: 132
Pages: 418-428
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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