2014 Fiscal Year Annual Research Report
受容体キナーゼを介した新規貪食経路に関わる受容体の同定と病態時での役割解明
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25670040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒瀬 等 九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10183039)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 受容体キナーゼ / TNF-α / NF-κB経路 / BRETプローブ / 細胞内シグナリング / 貪食 |
Outline of Annual Research Achievements |
Gタンパク質共役型受容体キナーゼ(GRK)には7種が存在しており、その中のGRK6がアポトーシス細胞の貪食に関わっていることを見出している。本研究では、GRK6と相互作用する分子を同定し、アポトーシス細胞の結合から貪食までの新たな経路の確立を目指した。相互作用する分子を同定するために、GRK6の構造変化を検出するプローブをいくつか作成した。初めに、GRK6のアミノ末端およびカルボキシル末端にスプリットさせたGFPを付加し、GRK6の活性化に伴に構造変化が生じるとGFPが再構築され、GFPの蛍光が回復することを利用して相互作用する分子のクローニングを試みた。しかしながら、いくつかのコンストラクトを作成したものの、十分な蛍光強度の回復を得ることができなかった。そこで、相互作用を検出する感度を上昇させるために、Bioluminescence Resonance Energy Transfer (BRET) を用いた手法に切り替えた。GRK6のアミノ末端にルシフェラーゼ、カルボキシル末端にGFPを付加させたプローブを作成した。このプローブでも結合によるシグナルが小さくスクリーニングには使えなかった。しかし、偶然にもGRK6が腫瘍壊死因子-α(TNF-α)刺激による転写因子NF-κB活性化の仲介分子として働いていることを見出した。NF-κBは炎症性分子の発現を制御している転写因子である。NF-κBの活性化は、NF-κBシグナリングを負に制御しているIκBαをGRK6が直接結合しリン酸化することで、抑制活性を解除させたためであった。さらに、TNF-α刺激は、GRK6のBRETプローブのBRET比を上昇させた。これらの結果は、GRK6が転写因子NF-κBの活性調節をとおして、炎症応答の仲介分子として働いていることを示している。
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Remarks |
研究室ホームページ http://chudoku.phar.kyushu-u.ac.jp/
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] GRK6 and heart disease2014
Author(s)
Hitoshi Kurose
Organizer
FASEB Science Research Conference ~G protein-coupled receptor kinases
Place of Presentation
Steamboat Spring, Colorado, USA
Year and Date
2014-06-09 – 2014-06-12
Invited