2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒストン修飾を標的とした天然物の探索とエピジェネシス制御機構解析への応用
Project/Area Number |
25670045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石橋 正己 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90212927)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生理活性 / シグナル伝達 / 薬学 / 有機化学 / 蛋白質 |
Research Abstract |
1. スクリーニング法(細胞アッセイシステム)の構築:ポリコーム群タンパク質Bmi1に関して,そのプロモーター活性を評価するルシフェラーゼ細胞アッセイシステムを構築するための検討を行った.現在,入手したプラスミドをアッセイ用細胞に導入し,安定発現細胞を構築中である.一方で,本方法はBmi1プロモーター活性を増強する化合物のスクリーニングに適しているが,低分子試薬や特定の遺伝子導入などの方法により,Bmi1プロモーターをいったん活性化させ,活性化されたBmi1プロモーター活性を低下させる化合物のスクリーニングも併せて行うことが必要であるため,活性化方法についても検討中である. 2. スクリーニングサンプルの準備:上記のアッセイ細胞システムを用いてスクリーニングを行うための準備として,当研究室保有の天然物抽出エキスコレクションの調製・拡充を行った.すなわち,タイ・バングラデシュ産植物エキス,千葉県産を中心とした放線菌菌株の収集分離,エキスコレクションの作製を行った. 3. ある種の癌ではBmi1の発現がヘッジホッグシグナルまたはウィントシグナルによって制御されることが知られている.このようにBmi1と関連性が指摘されているヘッジホッグシグナル,ウィントシグナルを標的としたスクリーニングを行った.ヘッジホッグ阻害成分としてはナス科植物より酸化分解型ステロイド誘導体,ウィント阻害成分としてはセンダン科植物よりリモノイド型テルペン化合物を単離した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞アッセイシステムの構築についてプラスミドの準備を整え,実験を開始した.現在,実験条件の詳細について順次検討を行っているところである.その一方で,スクリーニング用サンプルの収集,構築に努め,順調にコレクションの拡充を行った.また,関連性が指摘されているシグナル分子ヘッジホッグ,ウィントに対するスクリーニング研究を行い,各々に関する活性植物成分を見出した.
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Strategy for Future Research Activity |
アッセイシステムの構築を完成させ,当研究室に保有し継続して拡充している天然物抽出エキスコレクションを対象として,スクリーニングを行う.スクリーニングにより活性成分を単離し,化学構造を決定するとともに,精製した化合物が抽出エキスの段階で示した活性を保持しているかどうか再評価を行う.また,得られた活性化合物がエピジェネティック遺伝子発現制御機構へのどのような影響を及ぼすか調べる.すなわち,DNAメチル化,ヒストン修飾(メチル化,ユビキチン化),がん抑制遺伝子Cdkn2a等の発現への影響や,数種のがん細胞における癌の悪性度との相関等について注目し,種々の生化学的手法を用いて解析する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費について3301円だけ使い残しがでたものの,ほぼ当初の予定通りに物品費を使い切った.0円となるまでの使い切りはあえて行わなかった. 26年度も当初の予定より物品費が3301円増えるものの,ほぼ当初の予定通りに物品費を中心に使用する予定である.
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Research Products
(7 results)