2013 Fiscal Year Research-status Report
多剤耐性がん細胞を克服する新規化合物の創製と新規創薬標的蛋白質の探索
Project/Area Number |
25670049
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有澤 光弘 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40312962)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 智徳 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (30251151)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 多剤耐性がん細胞 / インドール / 含窒素複素環 / インドメタシン / ルテニウム / メタセシス / 環化異性化反応 |
Research Abstract |
1、インドール誘導体ライブラリーの合成(担当:有澤) 申請者らがつい最近見いだしたインドール誘導体 A、Bは COX 阻害剤インドメタシンと同等にが ん細胞のMDR感受性は低下させるが、COX阻害活性を有さない(IC50 >400)。そこで、A、Bの化学構造を礎に、より活性の強い多剤耐性克服インドール化合物を設計・合成した。 2、新規多剤耐性克服物質の活性評価(担当:中村) 「1」で合成するインドール化合物 の COX 阻害活性、MDR 阻害活性だけでなく、各種 ABC トランスポーター阻害活性を評価している(継続中)。 3、2,3―二置換インドール新規合成法の開発(担当:有澤) インドール誘導体の 合成法は多数報告されているが、望みの位置に望みの置換基を有する2,3―二置換インドールの 合成法は現代でもチャレンジングな研究課題である。申請者はこれまでにインドール誘導体(A、 B)をエナミドーエンメタセシスを鍵反応に用いて合成してきたが、より効率の良い合成法の開発 が本研究を成功させる為に必要である。本研究では、申請者が見いだした含窒素複素環カルベン 錯体を有するルテニウムヒドリド(Angew. Chem. Int. Ed. 2004, J. Org. Chem. 2006)を用い、オレフ ィン・ジエン・アレーンの反応特性を巧みに利用し、2,3―二置換インドールの新規合成法を目指した。現在、新反応を見いだしており、現在この詳細を解明中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」に対する達成度は90%程度である。
|
Strategy for Future Research Activity |
より活性の高い(現在の μM レベルの活性を nM レベルに引き上げる)多剤耐性克服インドール誘導体を創製する。また、インドール誘導体のバイオプローブを作製し、活性評価(COX 阻害活性、MDR 感受性、各種 ABC トランスポーター阻害活性)する。 この中から、「がん細胞の MDR 感受性は低下させるが、COX 阻害活性を有さない化合物」と「が ん細胞の MDR 感受性を低下させ、且つ、COX 阻害活性も有する化合物(従来型化合物)」を選択 し、これらを多剤耐性がん細胞に投与(in vivo と in vitro)することにより、分子イメージング実 験を展開する。これらにより、多剤耐性がん細胞を克服する新しい創薬標的を探索すると共 に、副作用の少ない新規多剤耐性克服物質を化学的アプローチにより創出する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者が平成25年8月に北海道大学から大阪大学に移動した為、化合物合成は完了しているものの、その物性データ(化学的及び生物学的)の取得に若干の遅れがあり、その経費が翌年度に繰り越している状況にある。 当初の計画通り、新規インドール化合物の物性データ取得を進める。
|
Research Products
(48 results)