2013 Fiscal Year Research-status Report
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25670050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 聡 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60333621)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛋白質間相互作用 / 化合物ライブラリー / 多成分反応 / 創薬化学 |
Research Abstract |
本研究は、薬物設計の段階からタンパク質間相互作用の阻害に特化した化合物群の作成を念頭に置き、1つの分子種から直線型や配座制御型等の様々な分子形状に対応する事ができるように、①疎水性官能基の連結により得られる直線型分子(type I)を、ビシクロ環化により②配座制限型分子(type II)に変化させ、さらにそれを開環して③配座制限緩和型(type III)へと変換する分子進化型薬物設計を行った。平成25度は各種type I~III化合物群の合成法とタンパク質間相互作用阻害活性評価法を確立した。すなわちtype I~III化合物群は、疎水性官能基を有するアミン、イソニトリル、不飽和カルボン酸と、ジオールを有するアルデヒドを用いたUgi4成分反応により、1段階でtype I化合物を得た。次にジオール部を過ヨウ素酸でアルデヒドへ変換し、生じたアルデヒドに対してジオール部を有するヒドロキシルアミンと反応させ、ニトロン形成と続く分子内1,3-双極子環化付加反応を行う事で、ワンポットでイソキサゾリジン縮環型ラクタムであるtype II化合物を得た。イソキサゾリジン部を還元的に切断することで、type III化合物を得るべく検討を行っている。分子内1,3-双極子環化付加反応においては、用いるヒドロキシルアミンの鎖長を変化させることで、ラクタム環のサイズを変化させtype II化合物の多様性を拡大することができ、本反応における環サイズと収率や立体選択性に関する相関を検討した。7員環縮環型については、各種ハロゲン原子を疎水性官能基に導入した化合物を合成し、小ライブラリーを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であった、①疎水性官能基の連結により得られる直線型分子(type I)を、ビシクロ環化により②配座制限型分子(type II)に変化させ、さらにそれを開環して③配座制限緩和型(type III)へと変換する合成法を確立する事ができたこと、また7員環縮環型については、各種ハロゲン原子を疎水性官能基に導入した化合物を合成し、小ライブラリーを作製できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き低分子化合物ライブラリーを作製する。各typeで約50個の化合物、総数150個化合物の合成を目標とする。合成した化合物に関しては、clogPやリガンド効率などの各種パラメーターを算出し、配座とともにデータベースを構築する。タンパク質間相互作用阻害活性評価については、よく研究がなされており、臨床試験へ進んでいる低分子阻害剤も見いだされているBcl-XL/BADやHDM2/p53相互作用をモデル標的とする。 type I~III化合物群は、バーチャルライブラリーとしても使用でき、標的タンパク質の3次元構造が入手可能な場合にはin silicoバーチャルスクリーニングにてヒット化合物を取得した後に、実際に化合物を合成するアプローチも可能である。約15,000個からなるtype I~III化合物群のバーチャルライブラリーを作製し、Bcl-XLやHDM2を含む数種のタンパク質のX線結晶構造に対してin silicoバーチャルスクリーニング(北海道大学薬学研究院で所有のSchrodinger社製Glideを使用)を行い、ヒット化合物を得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末支出のため、会計システムに反映されなかったため。 次年度使用額は、上記のとおり当該年度に全額執行済みである。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Expansion of Antibacterial Spectrum of Muraymycins toward Pseudomonas aeruginosa.2014
Author(s)
Takeoka, Yusuke; Tanino, Tetsuya; Sekiguchi, Mitsuaki; Yonezawa, Shuji; Sakagami, Masahiro; Takahashi, Fumiyo; Togame, Hiroko; Tanaka, Yoshikazu; Takemoto, Hiroshi; Ichikawa, Satoshi*; Matsuda. Akira.
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Journal Title
ACS Med. Chem. Lett.
Volume: 5
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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