2013 Fiscal Year Research-status Report
コレステロール輸送膜タンパク質局在制御の戦略的ケミカルバイオロジー
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25670052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニーマン・ピック病C型 / フォールディング異常症 / 蛋白変性症 / マルチテンプレート / コレステロール輸送 / 生理活性物質 / 蛋白質相互作用 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
研究計画(平成25年度申請書)に記載の内容に則り、平成25年度には以下の研究を行った。 (1) ニーマン・ピック病C型の原因となる変異NPC1に深く関連する類縁蛋白質NPC1L1について、疾病変異NPC1のトラフィッキング異常ならびにその化合物による修正と類似・同様の挙動を示すNPC1L1人工変異体の作成に成功し、NPC1L1機能阻害活性化合物のスクリーニング系を構築した。 (2) NPC1、ならびにその関連蛋白質であるNPC1L1の人工変異膜蛋白質の、トラフィッキング異常を修正する化合物群の構造展開を遂行し、特徴あるステロイド型活性化合物に加えて、フェナンスリジノン型の活性化合物の創製に成功した。当該のフェナンスリジノン系化合物の構造活性相関について、ある程度の解答を得た。 (3) NPC1の、コレステロールの膜通過に関わる基質結合部位と想定している部位に特異的に共有結合する光親和性プローブを設計・合成し、特異的ラベル化反応に成功した。 (4) 上記第(1)項に記載のスクリーニング系を用いて、ジフェニルペンタン系化合物に候補となる活性を見出した。 (5) 抗C型肝炎ウイルス活性を有するフェナンスリジノン系化合物群について、当該活性に直接関わる可能性のある標的蛋白質とされる各種核内受容体(RAR、RXR、ROR,LXR)に対するリガンド活性を解析し、ある程度の構造活性相関情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NPC1/NPC1L1に対するリガンドの創製は順調に進んでいる。ラベル化に引き続くペプチドの同定は難航しているが、これは高度に糖修飾を受けた膜蛋白であるため当初から予想していた。糖鎖の酵素的分解排除等による解決を図る。非ステロイド型のリガンド創製については、構造活性相関情報を得たが、活性の改善度は未だ高くはなく、引き続き展開を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に変更はない。ラベル化断片の同定の困難さや、高活性リガンドの創製の困難さは当初から予想していた課題である。酵素分解を手順に組み入れたり、あるいは確立できたスクリーニング系をフルに活用して新たな候補骨格の探索も念頭に解決を図る。 フェナンスリジノン誘導体の抗HCV活性については、各種核内受容体に対するリガンド活性の評価を継続し、各化合物についてダイヤグラムを完成させ、周辺の医薬化学への展開を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
NPC1L1人工変異体のトラフィッキング異常修正化合物について、構造展開研究が比較的にシンプルに進展し、構造活性相関研究に要する誘導体数の合成量が見積もりわずかに少なかった。そのため、当該の合成試薬に充当を予定していた15万円ほどを、次年度に計画していた、より構造活性相関が複雑なNPC1変異体のトラフィッキング異常修正化合物等の構造展開研究に充当することとした。 次年度に計画する、より構造活性相関が複雑なNPC1変異体のトラフィッキング異常修正化合物等の構造展開研究に充当する。
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Research Products
(5 results)