2014 Fiscal Year Research-status Report
内在性リガンド:プロサイモシンαによる自然免疫機構制御技術開発
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25670061
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植田 弘師 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (00145674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義正 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (90280700)
松永 隼人 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (20437833)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロサイモシンα / TLR4 / プライミング / 網膜虚血 / ハイスループットスクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究におけるプロサイモシンα(ProTa)とはラット初代培養脳の上清から見出した神経保護蛋白質であり、虚血等のストレスにより神経細胞から遊離され、オートクライン的に自己保護を示すことを明らかにしている。その受容体を長らく探索していたが、近年TLR4が一つの受容体候補であるとの研究報告がなされたが、そのin vivoでの検証はなされていない。本研究では網膜虚血モデルにおいて虚血後投与による保護作用を見出しているが、その仕組みにTLR4が関与しないことをTLR4 KOマウスにおいてみいだした。しかし、既報では細胞レベルでのTLR4シグナルがMyD88-NFkB系よりもTRIF-IRF3系のことが述べられていることから、後者の保護的作用をより明確に検知できるProTaの虚血前2日のプライミング処置を行ったところ、TLR4 KOマウスで完全に遮断される網膜保護作用を見出すことができた。そこで、この仕組みに関与する遺伝子発現やMyd88あるいはTRIFのKOマウスの活用により、ProTaプライミングによる保護効果の検証を実施しているところである。並行して、TRIF-IRF3系を駆動させるTLR4システムを構築するために様々な遺伝子導入を試みたが、安定して発現確認ができなかったためにepisomal発現システムの導入を行い、SEAPORTERを用いたスクリーニング系の構築に力を注いでいる。現在組み替えには成功しているので、発現確認とその後の化合物ライブラリーからのスクリーニング研究は今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ProTaによるTLR4を介する網膜保護効果の発見には成功し、遺伝子発現解析により一定の有用な情報を得ているが、同様な作用を示す低分子化合物探索というチャレンジングな研究に求められる細胞アッセイ系確立に予定以上の時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子発現解析結果やそれぞれのKOマウスにおける機能解析、網膜細胞種ごとの保護効果とTLR4感受性について研究成果を完了させ論文発表につなげることと、細胞レベルでのスクリーニングシステム構築に全力を注ぐ予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度中に予定していた自然免疫系評価アッセイシステムもでき、当初の萌芽研究課題は達成できた。しかし論文作成に必要なくり返し実験や投稿の結果予想される追加実験などのために研究経費を残しておく必要があるため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
自然免疫受容体シグナルの評価解析に関するくり返し実験と予想される投稿論文に関する 追加実験ならびに投稿に必要な英文校正、投稿経費に充当する。
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Research Products
(3 results)