2014 Fiscal Year Annual Research Report
薬物性肝障害発症・増悪メカニズムに基づいた改良型リンパ球幼弱化試験法の開発
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25670068
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 晃成 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30323405)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HLA / 共有結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
HLA-B*5701は抗菌薬フルクロキサシリン(Flux)による特異体質性肝障害発症とかかわるリスク多型である。この多型遺伝子を強制的に肝臓を含めた全身に発現するキメラ型トランスジェニックマウス構築を2年目に実施した。本トランスジェニックマウスはメンデル則に従って誕生し、一見して野生型と比べ目立った表現形の違いは認められなかった。マウス繁殖、ならびに共培養に必要な末梢血リンパ球回収の問題から共培養試験による毒性評価には至らなかったが、原理的にはこのマウスより肝細胞を単離し、同一個体からの末梢血リンパ球と共培養する系に薬物を添加することで、通常の末梢血のみを用いた幼弱化試験に比べ検出感度に優れたアッセイ系構築が期待できる。一方、トランスジェニックマウスからの肝細胞単離と並行し、野生型マウスの初代培養肝細胞に導入可能なヒトHLA-B5701アデノウィルスの作製も行った。実際に、導入されたHLAの蛋白質の発現に加え、過去に他の研究者によって報告されている薬物特異的な抗原提示も、免疫沈降とLC-MS/MSを組み合わせた方法で確認することができた。このツールは、ヒト初代培養肝細胞への一過性発現にも利用可能であるため、改良型リンパ球幼弱化試験に利用可能な、特定のHLAを十分に発現するヒト肝細胞を容易に調製できるなどの応用が期待できる。
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Research Products
(4 results)