2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670072
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 英二 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70118751)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 上皮ー間葉転換 / 乳癌細胞 / FOXC2 / 浸潤能 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はHNLER-TGFb、HNLER-Snail1、HNLER-Twist細胞にFOXC2 shRNAによりFOXC2の発現をノックダウンしたところ、形態的に上皮様構造を示しEMTが抑制された。これはウエスタンブロット解析による上皮マーカーの発現亢進、間葉マーカーの減少と、遊走能・浸潤能テストでも確認された。さらに、FOXC2ノックダウン細胞では癌肝細胞の指標であるCD44high/CD24lowの細胞の頻度、腫瘍様塊形成数が減少した。有糸分裂阻害剤paclitaxelに対する感受性も減少した。このことは、FOXC2が癌幹細胞形成に重要であることを示している。FACSにより分離されたCD44high/CD24low細胞や腫瘍様塊を形成する細胞は乳癌幹細胞の性質をもつことが知られている。そこで、CD44high/CD24low細胞ではCD44low/CD24high細胞に比較してFOXC2の発現は亢進していた。また腫瘍様塊形成により選択した細胞が選択前の細胞に比して、FOXC2の発現が著明に増加していた。さらに、HMLERにFOXC2発現ベクターを遺伝子導入により高発現させたHMLER-FOXC2細胞をFACS解析にかけて解析したところ、FOXC2遺伝子導入によりCD44high/CD24high細胞がCD44high/CD24low細胞にシフトすることが明らかになった。FOXC2の発現をノックダウンしたところ、PDGFRβの発現が消失し、細胞遊走能が減少した。さらに、PDGFRβの阻害剤であるSunitinibをFOXC2発現腫瘍細胞に添加すると、細胞増殖、転移を抑制し、腫瘍様塊形成を減少させた。以上のことから、FOXC2は標的遺伝子PDGFRβを介して乳癌のEMTに働くことが示された。当研究で用いたSunitinibは新しい乳癌治療の薬剤候補となり得る。
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Research Products
(2 results)