2015 Fiscal Year Annual Research Report
尿毒症物質産生阻害薬探索のためのヒト人工多能性幹(iPS)細胞由来肝細胞の構築
Project/Area Number |
25670080
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
齋藤 秀之 熊本大学, 医学部附属病院, 教授 (40225727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城野 博史 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (40515483)
白木 伸明 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (70448520) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | iPS / ヒト肝細胞 / 人工多能性幹細胞 / 尿毒症物質 / インドキシル硫酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、硫酸抱合型尿毒症物質の肝臓産生系をターゲットとし、ヒト人工多能性幹(iPS)細胞由来肝細胞モデルによる尿毒症物質産生阻害薬物のスクリーニング技術を独自開発し、腎障害・尿毒症治療効果を有するシーズ薬物を創出することを計画するものである。ヒトiPS細胞を3日間分化誘導して作成した内胚葉凍結ストックを用いて分化誘導を行った。4種類の異なる培地を用いて分化誘導を行い、免疫染色およびELISA、薬物代謝実験で肝細胞への分化度を評価した。培養11日目には肝臓の前駆細胞のマーカーであるAFP陽性細胞が確認でき、17日目には肝臓のマーカーであるALB陽性細胞が確認できた。このことから内胚葉フリーズストックから肝臓系譜への分化が可能なことが判明した。アルブミン分泌量についてELISAを用いて評価した結果、培養11日目より有意なアルブミンの分泌増加が観察された。免疫染色およびアルブミン分泌の結果、検討した分化誘導プロトコルは肝臓分化に適していることがわかった。内胚葉凍結ストックと培地の組み合わせにより肝臓系譜の細胞が作成可能であることが判明したため、分化させたiPS細胞由来肝臓細胞を用いてインドキシル硫酸の代謝実験を行った。結果、前駆物質インドール添加群の培地中より代謝産生物質であるインドキシル硫酸が検出され、さらに阻害薬Resveratrol添加群では、インドキシル硫酸が検出限界まで顕著に低下することが観察された。同時にiPS細胞中のインドキシル硫酸濃度を測定した結果、極めて低値を示したことから、産生されたインドキシル硫酸は培地中に排出されていることが示唆された。以上の結果から、新たに構築したヒトiPS細胞由来肝臓細胞は、インドールからインドキシル硫酸への代謝産生活性を発現しており、インドキシル硫酸代謝産生阻害薬のスクリーニングに有用であることが示唆された。
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[Journal Article] Phase I and pharmacokinetic study of erlotinib administered in combination with amrubicin in patients with previously treated, advanced non-small cell lung cancer.2015
Author(s)
Otani S, Hamada A, Sasaki J, Wada M, Yamamoto M, Ryuge S, Takakura A, Fukui T, Yokoba M, Mitsufuji H, Toyooka I, Maki S, Kimura M, Hayashi N, Ishihara M, Kasajima M, Hiyoshi Y, Katono K, Asakuma M, Igawa S, Kubota M, Katagiri M, Saito H, Masuda N.
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Journal Title
Am J Clin Oncol.
Volume: 38
Pages: 405-410
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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