2014 Fiscal Year Research-status Report
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25670100
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
仙波 憲太郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70206663)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
a)乳腺上皮細胞の脱分化の効率化に関わる因子としてp53-p21経路による(抑制)制御を初めて見出した。この成果は分子生物学会で発表した。 b)スクリーニングにおいては前年度までに、MECへの遺伝子の導入が低効率である問題があったため、この解決法として、マウス細胞においてはドナーとしてTet-On-Advanced全身発現マウスを用いることで、複数のベクターの導入や効率の悪い長いウイルスベクターを用いて導入する必要が無くなった。実際に目的の遺伝子の導入および発現を効率良く行うことができるようになった。誘導発現可能な遺伝子導入乳腺再構築技術の一部としてこの成果は分子生物学会で発表した。 c)これまでに脱分化後に移植以外には幹細胞性を評価する実験系が存在しなかったが、幹細胞性を評価できるトランスジェニックレポーターマウスを作製することで、EGFPおよびpuroRの発現によって脱分化因子をより簡便・迅速に評価することが可能となった。また、これまでin vitroで乳腺幹細胞を長期に培養することができなかったが、我々は独自にこの培養技術を開発し、乳腺幹細胞を長期培養することができるようになった。上記レポーター細胞がEGFP(+)である培養条件では乳腺幹細胞性を持つことが移植・再構築実験より確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した計画の7段階のうち前年度までに、(1)一過的遺伝子発現システムの構築,(2)マウスでの脱分化効率の検討,(6)ウイルスを用いないベクターの開発をすでに終え、さらに(3)免疫不全マウスを用いたヒト乳腺構築技術の確立、の技術としてマウスの腎臓皮膜移植テクニックを習得したこと、(4)ヒト乳腺上皮細胞脱分化の必要因子の探索、および(5)効率化因子の探索・効率化システムの構築のための遺伝子の抽出とそれらの発現ベクターの精製を終えている。また、本年度は前年度に本報告書にて計画した乳腺幹細胞性を評価するためのトランスジェニックレポーターマウスおよび幹細胞性を維持できる培養法を確立することに成功し、これらの大幅な進展によってスクリーニングを簡便に効率よく遂行することが可能になった。しかしながらまだ効率の良いダイレクトリプログラミングの因子の同定には至っていない。従って、最終目標は未達成であるが、技術確立の大幅な進展から、おおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で開発されたトランスジェニックレポーターマウスと幹細胞性を維持できる培養法を用いて、乳腺上皮細胞脱分化・効率化因子をスクリーニングする。幹細胞性維持培養法の確立にあたり、ストローマ細胞や細胞外基質の幹細胞化における重要性や、乳腺を構成する細胞間の相互作用が幹細胞化の運命を決定づけることなどを見出したため、脱分化の効率化因子として遺伝子発現のみならず液性因子や微小環境の条件なども広範に探索したい。また、FACSの使用が可能な研究環境となったため、抗体染色後にソーティングして不必要な細胞を取り除いたり性質の異なる画分を得ることでさらなる遺伝子導入効率の改善や、脱分化の元となる細胞のクオリティーの向上や分類が図れる。 脱分化・効率化因子が発見された場合には毛包細胞などの採取可能な細胞から直接乳腺幹細胞へダイレクトレプログラミング可能かどうかも検討したい。マウスでのこのような知見や実験のノウハウを積み重ねることによって将来的にヒトの細胞の脱分化の成功につなげたい。
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Causes of Carryover |
1)マウス細胞を用いた実験では大きな進展が見られたが、ヒト細胞への応用には至らず、そのために計画していた移植に用いる予定だった重度に免疫不全なNOD-SCIDマウスの購入がほとんど無かったため。 2)消耗品購入の際に細かな業者の選定や一括購入やキャンペーンでの購入、およびランニングコスト削減教育の実施などのコスト削減対策を行って経費の削減に努めたことに加え、学生にかかる旅費分が大学支出でまかなわれたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)スタート時点で予測できなかった(良好な)結果から新規に実験系を構築するために必要なもの、特に培地やvectorや 細胞株の購入費用として使用する。特に経費が大きいものとして、乳腺を構成する細胞のどの細胞由来か判別するためにLineage tracing用の遺伝子改変マウスの購入費およびSPF施設に搬入するためのクリーニング(体外受精)委託費用に使用する。 2)古い機器または正常に働かなくなったピペットマン・ピペットエイド・ボルテックス・ミニ遠心機などの必需器具のレプレースのために使用する。
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Research Products
(2 results)