2014 Fiscal Year Annual Research Report
イオン透過性・細胞内局在において多様なチャネルロドプシンの創出
Project/Area Number |
25670103
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八尾 寛 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (00144353)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | チャネルロドプシン / イオンチャネル / Gd3+ / オルガネラ / 筋小胞体 / 筋収縮 / サルコメア / 光遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
チャネルロドプシン(ChR)の第2へリックス(TM2)近辺に存在する5つのグルタミン酸残基(E)がイオン透過性に関係すると考えられている。単細胞緑藻類の一種Mesostigma viride由来のChRのひとつ、MvChR1は、クラミドモナスやボルボックス由来の既知のChRと異なり、上記5つのEのうち、ChR2のE97に相当する部位のアミノ酸残基がAに置き換わっている。そこで、本研究ではMvChR1においてはイオン透過性のメカニズムが異なるという仮説を検証した。その結果、MvChR1およびその増強変異体のC2M1おいては、Gd3+の高親和性結合部位が欠損していることが確認された。さらに、C2M1におけるChR2のE97に相当する部位であるAをEやDなどの付加電アミノ酸残基に置換したところ、Gd3+高親和性になるとともに、陽イオン透過性が強く減少した。しかし、非電荷のQに置換しても影響を受けなかった。すなわち、MvChR1やC2M1においては、ポアサイズが比較的大きいため、透過陽イオンが脱水和されることなく、バルクで透過することが示唆された。本研究の成果は投稿中である(Ishizuka et al.)。 ChR1と2を融合した改変型のChRGR遺伝子導入で、青緑色光に感受性を持つ筋細胞を作り、継続的に照射した。その結果、青緑色光の照射を受けた細胞は、収縮の最小構成単位である筋細胞内のサルコメア構造の発達が促進された。また、このように成熟した筋細胞が、光刺激に応答して収縮することも確かめた。筋小胞体などのオルガネラに発現したChRGRを介した周期的な細胞内カルシウム振動が効率的に成熟した筋細胞への分化を進めることが示唆された。本研究の成果は、論文として報告した(Asano et al., 2015)。
|
Research Products
(43 results)
-
-
-
[Journal Article] Structural basis for Na+ transport mechanism by a light-driven Na+ pump.2015
Author(s)
Kato HE, Inoue K, Abe-Yoshizumi R, Kato Y, Ono H, Konno M, Ishizuka T, Hoque MR, Hososhima S, Kunitomo H, Ito J, Yoshizawa S, Yamashita K, Takemoto M, Nishizawa T, Taniguchi R, Kogure K, Maturana AD, Iino Y, Yawo H, Ishitani R, Kndori H, Nureki O
-
Journal Title
Nature
Volume: Apr 6
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
[Journal Article] Photofunctional nanomodulators for bioexcitation.2014
Author(s)
Miyako E, Russier J, MauroM, Cebrian C, Yawo H, Menard-Moyon C, Hutchison JA, Yudasaka M, Iijima S, De Cola L, Bianco A
-
Journal Title
Angew Chem Int Ed.
Volume: 53
Pages: 13121-13125
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 感覚の遺伝子工学.2014
Author(s)
八尾寛
Organizer
第5回感性センシング応用ロードマップ技術分科会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2014-11-04 – 2014-11-04
Invited
-
[Presentation] Optogenetic patterning of touch perception -- sensing light by skin.2014
Author(s)
Yawo H, Yokoyama Y, Sumiyoshi A, Abe A, Koizumi K, Egawa R, Liu Y, Ohshiro T, Matsuzaka Y, Kawashima R, Mushiake H, Ishizuka T.
Organizer
The 16th International Conference on Retinal Proteins (ICRP2014)
Place of Presentation
Nagahama, Japan
Year and Date
2014-10-05 – 2014-10-10
Invited
-
-
-
-
[Presentation] 触覚パターンのオプトジェネティクス制御.2014
Author(s)
八尾寛, 横山超一, 住吉晃, 阿部健太, 小泉協, 江川遼, 劉越人, 大城朝一, 松坂義哉, 川島隆太, 虫明元, 石塚徹
Organizer
第52回日本生物物理学会年会
Place of Presentation
札幌
Year and Date
2014-09-25 – 2014-09-27
Invited
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-