2013 Fiscal Year Research-status Report
神経細胞酸毒性死防御にむけた酸感受性アニオンチャネルの温度感受性解明と分子同定
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25670112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 生理学研究所, 名誉教授 (10025661)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニューロン / 酸毒性死 / アニオンチャネル / 温度感受性 / 低体温療法 |
Research Abstract |
まず第1に、胎仔マウス大脳皮質より単離して初代培養したニューロンにパッチクランプ全細胞記録によるアニオンチャネル電流観察を行い、外液酸性条件下で活性化される電流の性質を調べたところ、上皮細胞ASORと同様に、ASOR特有の生物物理学的・薬理学的性質を示すことを確認した。 そして第2に、脳ニューロンASOR電流の温度感受性を定量的に観察し、この絶対温度の逆数に対して電流値の対数をプロット(アルレニウスプロット)し、アルレニウス式から活性化エネルギーとQ10値を計算して、高い温度感受性(Q10値>10)を有するチャネルであることを確認した。 更に第3に、大脳皮質ニューロンを外液酸性条件下で培養し、そのネクローシス死をPI染色陽性で、アポトーシス死の関与のないことをカスパーゼ3活性化がみられないことで定量的に確認した。そして、この酸毒性ネクローシス死の薬物感受性を調べ、ASORの薬理学的性質と一致することを確認した。 第4には、ネクローシス死初期過程に伴われるネクローシス性細胞膨張(NVI: necrotic volume increase)が、実際に見られることを確認し、そのNVIのASOR阻害剤感受性を調べ、ASORの酸毒性ネクローシスへの本質的関与を確かなものとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度に計画した研究をすべて終えると共に、その成果を英文論文として発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるの計画通りに推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験が順調に進んだので、実験支援補佐員に他課題の業務に移ってもらった。それにより当初の計画より謝金の支出が減ったため。 研究代表者がH26年4月に葉山に移動したので、実験実施場所の岡崎との間を毎週行き来して研究を進めることになったので、その旅費に当てる計画である。
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Research Products
(4 results)