2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規な性的二型核の探索と探索した性的二型核の性差形成機構および生理機能の解明
Project/Area Number |
25670114
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
塚原 伸治 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90318824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40315932)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体 / 性差 / 性分化 / 視床下部 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の内部構造には性差があり、これにより生理機能の性差が生じると考えられているが、脳の性差には未知な部分が多い。研究代表者は、GFPでエストロゲン受容体α(ERα)発現ニューロンを可視化した遺伝子改変マウス(ERαーGFP TGマウス)を用いた最近の研究から、ERα発現ニューロンの数に性差がある領域としては、これまでに知られていなかった部位(以後、領域Xと仮称する)を視床下部の中で発見した。前年度の研究から、領域Xには雌優位なニューロン数の性差があるが、グリア細胞数には性差がないことが明らかになった。本年度は、領域Xの性差形成に対する性ステロイドホルモンの影響を検証するため、出生日に去勢した雄マウスと新生仔期にテストステロンを投与した雌マウスの領域Xのニューロン数を計測した。その結果、去勢した雄マウスの領域Xにおけるニューロン数は、正常雄マウスに比べて多くなっていた。反対に、テストステロンを投与した雌マウスでは、ニューロン数が少なくなった。このことから、発達期の精巣由来テストステロンの影響を受け、領域Xの形態構造が脱雌性化すると考えられた。さらに、本年度は、雌マウスの領域Xの生理的役割を明らかにするため、雌マウスの性行動(ロードーシス)における関与の有無について検討した。神経活性マーカーであるfosタンパク質発現細胞を計測した結果、ロードーシスを起こした雌マウスの領域Xにおけるfos発現細胞数は、ロードーシスを起こしていない雌マウスと変わりがなかった。このことから、雌マウスの領域Xは性行動制御に関与しない可能性が示された。雌優位な性差領域として見出した領域Xの生理機能については、今後さらなる研究が必要である。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] Regional differences in sex steroid action on formation of sexually dimorphic nuclei in mice.2014
Author(s)
Kanaya M, Tsuda CM, Sagoshi S, Nagata K, Morimoto C, Chaw Kyi Tha Thu, Toda K, Kato S, Ogawa S, Tsukahara S
Organizer
8th International Congress of Neuroendocrinology
Place of Presentation
Sydney, Australia
Year and Date
2014-08-17 – 2014-08-20
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