2013 Fiscal Year Research-status Report
生物時計の分子メカニズムにおける受容体キナーゼの役割解明
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25670120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仲矢 道雄 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (80464387)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GRK |
Research Abstract |
私達の睡眠・覚醒のように、約一日の周期をもつ生物リズムは概日リズムと呼ばれ、体内に存在する概日時計によって支配されている。この概日時計は、恒常条件下においても約24時間の周期で自律的に時を刻むと共に、光などの環境因子によって周期を補正することができる。概日時計の生成は、PERIOD(PER)やCRYPTOCHROME(CRY)など、種々の時計タンパク質によるNegative feedback loopによって制御されている。時計蛋白質のリン酸化は、この制御において、その蛋白質の核内移行や分解などに関して重要な役割を果たしているが、依然として不明な点は多い。 GRKは、アゴニストが結合して活性化した種々のGPCRのC末端部をリン酸化するキナーゼである。リン酸化された受容体はβアレスチンと結合し、脱感作へと導かれる。現在、哺乳類においてGRKファミリー分子は7種存在する。GRKは長い間、GPCRをリン酸化するキナーゼとしてのみ知られてきた。しかし、最近になってGRKがGPCR以外のタンパク質をリン酸化することが報告され、脱感作以外の機能も有する事が明らかとなりつつある。我々は、研究の過程でGRKが生物時計の分子メカニズムに関与する可能性を得た。そこで、我々はその関与を明らかにするために実験を行い、(1)GRKがある種の時計蛋白質と相互作用を示す事、(2)GRKがある種の時計蛋白質の転写を制御する事、(3)GRKがある種の時計蛋白質の局在を変化させることを示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の項目で示した様に(1)GRKがある種の時計蛋白質と相互作用を示す事、(2)GRKがある種の時計蛋白質の転写を制御する事というGRKの生物時計の分子メカニズムへの関与を示す上で大きな手がかりとなる結果を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度までに得られた研究成果を軸にして、GRKの生物時計への関与のさらに詳細に解析していく予定である。その際には、GRKのノックアウトマウスの行動周期に異常がみられるのかについても検討していく予定である。
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Research Products
(12 results)