2013 Fiscal Year Research-status Report
恐怖記憶の抑制が睡眠中の記憶の強化処理に与える影響
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25670122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
栗山 健一 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 成人精神保健研究部, 室長 (00415580)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 睡眠・覚醒 / 記憶・学習 / ストレス / 指示忘却 / 精神医学 / 夢 / PTSD |
Research Abstract |
恐怖体験記憶の睡眠中の処理プロセスと記憶抑制(指示忘却)との機能的関連を検討することを目的し、本研究は計画された。記憶抑制は、前頭前野のトップダウン制御による海馬活動の低下と関連しており、これと扁桃体機能との関連性及び、睡眠中の記憶強化プロセスとの関連を明らかにすることに焦点があてられている。 研究計画に基づき、健康成人20名程度の脳機能画像データおよび睡眠中の脳波データを蓄積した。恐怖記憶の抑制に伴う脳活動および睡眠中の神経可塑性に伴う脳機能変化を定量解析する上で、5名の予備データを解析したところ、午睡(NAP)中の睡眠構造及び機能画像データで十分な記憶強化および記憶抑制に伴う変動が得られていないことより、終夜睡眠中の睡眠データの採集、解析が不可欠であると判断し、研究計画を変更した。これにより実験実施時間が2日間に伸び、睡眠群と覚醒群による群間解析計画に変更となった。目標研究遂行症例数は、研究計画当初とほぼ変更なく研究目標を得るためより適切な研究計画に推敲された。 記憶行動データにおいては、恐怖記憶抑制操作の影響により、睡眠群と覚醒群との群間差が確認された。記憶抑制は恐怖記憶の想起率を有意に強く抑制しするが、むしろ恐怖般化の影響は促進する傾向が明らかになっている。これらの行動データ上の偏りは、研究目標の達成のための必要条件が得られていることを示しており、今後機能画像データおよび睡眠脳波解析はデータの蓄積とともに行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
60名程度のデータ蓄積を目標とし研究を遂行中である。現在20名程度のデータ採集が終了しており、ほぼ計画通り計画が遂行されている。平成26年度は目標数全例のデータを集めることを目指し、精力的に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
全例のデータ集積がされた時点で、全データの解析を行う。解析結果を参考に、さらなる解析の工夫および、データ数の加算の必要性を慎重に検討する。必要であれば追加実験計画の検討も行い、目標とする研究成果の獲得を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
数名分の被験者謝金の残額が生じ、消耗品費が予定より負担が軽減されたため。 被験者謝金は次年度以降に消費する予定あり。消耗品も次年度に購入予定あり。残額が生じた場合は、予算不足分の論文投稿料等に充てる予定。
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Research Products
(9 results)