2013 Fiscal Year Research-status Report
RGSのウロテンシン受容体シグナル調節機構の解析と応用ー抗動脈硬化薬創出の試み
Project/Area Number |
25670125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西山 眞理子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00092081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 定雄 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40134225)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ウロテンシンII / RGSタンパク質 |
Research Abstract |
本年度は、ウロテンシンII受容体の機能調節に重要な役割を担うRGSタンパク質分子種を検討するために、まず、R4ファミリーのRGSタンパク質であるRGS1, RGS2, RGS3, RGS4, RGS5, RGS8, およびRGS16について、ウロテンシンII受容体シグナル抑制効果を比較し、抑制効果の強いRGS蛋白質分子種を検討した。 そのために、ヒトウロテンシンII受容体の動物細胞発現用プラスミドを作製し、これを用いてウロテンシンII受容体を安定に高発現する培養細胞株を作製した。この細胞に、R4ファミリーのRGSタンパク質、RGS1, RGS2, RGS3, RGS4, RGS5, RGS8, およびRGS16を同程度の発現量になるように一過性に発現させ、ウロテンシンIIに対する細胞内カルシウム応答を指標として、これらのRGSタンパク質のウロテンシンII受容体シグナル抑制効果を比較した。その結果、RGS2, RGS3, およびRGS8が、RGS1, RGS4, RGS5, RGS16よりも抑制効果が強いと思われた。 この結果は、アンジオテンシンII受容体シグナルに対するRGSタンパク質の抑制効果のパターンと類似していたが、その選択性は、アンジオテンシンIIの場合のほうがより明瞭であると思われた。 また、その強い抑制活性を担う分子内部位を特定するために、各種RGS変異体やキメラRGSの効果を検討中である。さらに、ウロテンシンII受容体シグナルを抑制するRGS機能におけるscaffoldタンパク質の関与を検討するために、スピノフィリンの関与を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各種RGSタンパク質分子種のウロテンシンII受容体シグナル抑制効果の比較検討に関して、細胞内カルシウム応答を指標とした解析については、概略の結果は得ているが、統計処理をして最終的な報告をするのに必要な例数が不足している。また、ERK活性を指標とした生化学的な解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
分子生物学的実験・薬理学的解析については、必要なプラスミド類や安定発現細胞がすでにできあがったので、今後、これまでよりも実験を効率よく行うことで対応できると考えている。生化学的解析については、生化学的実験を担当していた共同研究者が平成26年度からは本研究には参加できないことになった(研究分担者変更承認済み)ので、研究代表者が代わって行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
生化学的解析が遅れているので、必要物品で未購入の物があることが主な理由である。また、当初、平成26年度に使用する測定システム構築の準備のために、平成25年度中に必要な物品の一部を購入することを予定していたが、そのなかで未購入の物があることも理由のひとつである。 上記の未購入物品は速やかに購入して、ほぼ当初の計画通り研究を進める予定である。
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