2013 Fiscal Year Research-status Report
新規in vitroアッセイ系を用いた核小体ストレスの分子機構の解明
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25670136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀内 久徳 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90291426)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / RabL10 / RabL11 / rRNA |
Research Abstract |
リボソームは、核小体においてRNAポリメラーゼIによって合成されたリボソームRNA (rRNA)と、細胞質で合成されて核内に運ばれたリボソーム蛋白質より、核小体で組み立てられる。蛋白質の合成工場であるリボソームRNAの転写は細胞のエネルギー消費に直結する。細胞は低栄養に際してオートファジーでATPを産生する一方、速やかにリボソーム合成を停止し、そして核小体構造は崩壊する。この現象は「核小体ストレス」と呼ばれ注目されている。低栄養以外にもDNA傷害、低酸素・活性酸素暴露等に際して核小体ストレスは誘導される。本研究ではまず核小体を単離し、rRNA転写を無細胞系で解析するアッセイ系および核小体崩壊を解析するアッセイ系を構築し、それらを用いて核小体ストレスの分子メカニズムを解明することを目的とする。このようなアプローチは世界的にも報告がなく、本分野を画期的に前進させるものとなろう。 本年度は、新規に精製されたrRNAのPCRを用いた定量法を構築しえた。現在、単離核小体を用いて、低栄養や低酸素・活性酸素暴露等の刺激によるrRNAの精製過程のin vitro解析系を構築している。また、単離核小体を用いて、核小体崩壊を生化学的、形態学的に測定できるアッセイの構築に向け改良を重ねている。核小体に局在し、核小体ストレスを担う可能性があるRasL10およびRasL11遺伝子をクローニングし、大腸菌で作成・精製した。それらの結合蛋白質を同定するためアフィニティ法を用いて条件等の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規のチャレンジングな試みであるが、一歩ずつ着実にデータを積み重ね、前進している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、単離核小体においてrRNA測定アッセイ等を構築し、単離核小体を用いて小胞体ストレスを誘導できる安定した生化学的あるいは形態学的アッセイを確立する。そしてそれを用いて核小体ストレスに関わる因子群を同定、解析する。平行してRabL10, RabL11結合蛋白質を同定して解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基礎実験を積み重ねており、学会発表をしなかったので若干、次年度使用が発生した。 ほぼ計画通りの予算の使用状況であり、研究目的を遂行すべく実験を積み重ねていく計画である。
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