2013 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性SV40ラージT抗原を用いたマウス不死化赤芽球系前駆細胞株の樹立
Project/Area Number |
25670145
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
青戸 守 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50372727)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 細胞内シグナル伝達 / 赤血球分化 |
Research Abstract |
不死化赤芽球系前駆細胞株の作製に関して、human BclxL発現ベクターの改良を行った。その結果、せきがきゅう前駆細胞においてCMVプロモーターを用いて遺伝子発現を行った場合、発現レベルが低くなること、EF-1aプロモーターを用いた場合はより高い発現レベルを示すことがわかった。現在、EF-1aプロモーターによりhuman BclxLの発現を誘導するプラスミドを作製し、不死化細胞株の作製を継続している。また、不死化赤芽球系前駆細胞株の作製に付随して、赤芽球分化の分子メカニズムについて解析を行い、(1)Transferrin(Tf)-Transferrin Receptor 1(TfR1)シグナルが脱核において重要な役割を果たすこと、(2)TfR1ヘテロ欠損マウスでは野生型に比べて赤芽球分化が遅れること、(3)ホスファチジルセリン(PtdSer)の細胞外表面への露出はアポトーシスの指標としてよく知られているが、成熟赤芽球においてPSの細胞外表面への露出が起こっており、この時アポトーシス実行因子であるCaspase-3の活性化が観察されないことから、アポトーシスの分子機構とは関係なくPtdSerの細胞外表面への露出が起こることを見出した。 これらの結果から、Tf-TfR1シグナルが脱核だけでなく赤芽球の分化・増殖に関与していること、PSの細胞外表面への露出がアポトーシスの分子機構とは無関係に赤芽球分化に関与している可能性が示唆された。現在、より詳細な解析を行っている。
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