2015 Fiscal Year Annual Research Report
ハダカデバネズミの長寿・癌化耐性と集団内利他的社会性をもたらすゲノム安定性の解明
Project/Area Number |
25670148
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三浦 恭子 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (80583062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 厚志 岩手医科大学, いわて東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (30327655)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハダカデバネズミ / naked mole rat |
Outline of Annual Research Achievements |
ハダカデバネズミは、アフリカのケニア・エチオピア・ソマリアの地下に生息する真社会性齧歯類である。マウスとほぼ同じ大きさであるにもかかわらず、平均28年の長寿であり、自発的な腫瘍形成がほとんど見られたことがないというがん化耐性をもつ。本研究では、ハダカデバネズミのDNA損傷に対する応答性・関与遺伝子を解析している。
これまでに我々は、ハダカデバネズミにおける配列・機能の特殊性を見出していた、DNA傷害応答に関与するgene Xについて、マウスの遺伝子座にハダカデバネズミのORFを導入した組換えマウスES細胞の作出を行った。ハダカデバネズミgene X CDS-Ires2-AcGFP1-pA-loxp-pGK-neo-pA-loxpのカセットを構築し、PCRによりarmをつけて増幅後、gene Xの周辺領域のマウスBAC(Bacterial artificial chromosome)を購入し、組換えをおこなった。組換えにはRed/Et recombination kitを使用した。ES細胞のターゲッティング効率を上昇させるため、 BACをES細胞に導入する際に、マウスのgeneXを標的としたガイドRNAを設計し、Crispr/Cas9によるDSBの誘導も行った。ES細胞の組換えに関しては、まずB6由来のES細胞に、20ugの組換えBACと10ugのCrispr/Cas9ベクターをエレクトロポレーション法により導入した。導入後のES細胞はMEFフィーダー上で培養し、ネオマイシンによるセレクション後、サザンブロットによって組換えを評価したところ、3/32クローンにおいて、相同組換えが生じており、およそ10%の高確率で、ヘテロ変異体の組換えES細胞を樹立することができた。
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