2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670160
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
堀内 新一郎 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 研究助手 (60588234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 俊一郎 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (00260480)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発毛因子 / 癌細胞 / ヌードマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、癌細胞Aをヌードマウスに移植した際に、発毛の促進が観察されている。そこで、in vitroにおいて発毛因子をスクリーニングする系を構築するために、発毛の促進のマーカーとなるタンパク質の探索を行った。H25年度、ヌードマウスの無毛の原因となっているFOXN-1シグナル経路の遺伝子(FOX-1、PLC-δ1、kRTHA3B)の発現が癌細胞A抽出液により誘導されるかをメラノーマ細胞、腎臓由来細胞、肺癌細胞を用いて調べたが、これらの遺伝子の発現変化は検出できなかった。この原因として皮膚由来の細胞株でなかったり、皮膚由来の細胞株であっても癌細胞であった事が考えられるため、H26年度は3種類のヒト皮膚由来線維芽細胞を用いて、FOXN-1シグナル経路の遺伝子(FOX-1、PLC-δ1、kRTHA3B)の発現が癌細胞A抽出液により誘導されるかを調べた。しかし、ヒト皮膚由来線維芽細胞においても、FOXN-1シグナル経路の遺伝子の発現変化は検出できなかった。そこでタンパク質の発現を網羅的に解析できるiTRAQにより、癌細胞A抽出液により発現が変化する遺伝子や経路を検出することを試みた。ヒト皮膚由来線維芽細胞の培養において癌細胞A抽出液を添加した場合と添加しなかった場合で、細胞よりタンパク質を回収し、このタンパク質をBradford法により濃度測定し、SDS-PAGE電気泳動を行ったところ、iTRAQの解析に使用できる濃度と質であることが確認できた。今後、このタンパク質を用いて、iTRAQによる網羅的な発現測定を行う予定である。また、がん細胞の培養上清が、培養ヒト毛乳頭細胞の増殖を促進することを見出した(分担者の成果)。H27年度は、この増殖促進因子を同定する(分担者の担当)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究機関の移行によりiTRAQのサンプル作成等が遅れた結果、iTRAQによる発現測定の発注に遅れが生じた。ただし、既にiTRAQよる測定の発注を行っており、H27年度における研究に支障はないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
iTRAQによる発現測定の結果を解析する。解析にはVAVID、GSEAやGenManiaを用い、癌細胞A抽出液により発現が変化した遺伝子群に特徴的な機能、パスウェイやネットワークを抽出する。そして抽出されたパスウェイやネットワークより、発毛のマーカーの候補となるタンパク質を選び出し、実際に、そのタンパク質が発毛のマーカーとなりうるか検証する。そして、このマーカーを利用し、癌細胞Aの培養上清より発毛因子の精製、及び同定を試みる。また、iTRAQによる測定結果が正しいものであったかについてもウェスタンブロットやqPCRにより確認する。 がん細胞の培養上清より培養ヒト毛乳頭細胞の増殖促進因子を同定する(分担者の担当)。
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Causes of Carryover |
H26年度における使用計画にはiTRAQによる発現測定の代金が含まれていたが、iTRAQによるタンパク質の網羅的な発現測定が遅れ、この代金がH26年度の使用額に計上されていないために、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
既にiTRAQによる発現測定の発注を行っており、H27年度においてiTRAQによる発現測定の代金が計上される予定である。
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