2013 Fiscal Year Research-status Report
テキスト及び画像情報による客観的病理診断過程のモデル化と診断支援システムの開発
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25670180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
原 敦子 北里大学, 医学部, 講師 (10276123)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 病理診断報告書 / 組織標本 / テキストマイニング / 画像解析 / 病理診断支援システム |
Research Abstract |
「テキスト及び画像情報による客観的病理診断過程のモデル化と診断支援システムの開発」というテーマで科学研究費補助金を使用させていただいて研究を行っております。平成25年度は、主にテキストを用いた解析を行いましたので概要を述べさせていただきます。 ①「テキスト(=病理診断報告書)を使った客観的病理診断過程のモデル化」について 病理診断とは、病理医が癌などの生体組織を標本として顕微鏡下で観察し診断を下す医療行為を言います。ここでは、診断内容が記載された病理診断報告書をテキストデータとし、テキストマイニング技術および独自のアルゴリズムで作成したプログラムを用いて解析を行い、病理医の思考過程を数値化した全く新しい客観的病理診断モデルの作成を試みました。またこのモデルを用い、(a)潜在意味解析を用いた類似報告書の検索、(b)ベイズの定理を用いた疾患の推定や診断確率の提示、(c)診断と所見の記述の整合性検査を内容とする病理診断支援システムの開発を行いました。現在のところ、(a)および(b)では高い正解率で類似報告書や推定疾患の提示が可能となっております。(c)についても単純な記載ミスならびに医的・論理的矛盾ミスにつき、自動ミスチェックが可能となっています。 ②「画像(=組織標本)を使った客観的病理診断過程のモデル化」について こちらについては、現在のところバーチャルスライドシステムを用いた画像の電子化や細分化を行っている研究初期の段階であり、主に平成26年度に詳細な解析を行っていく予定であります。 ③今後、テキストおよび画像解析結果を有機的統合した実用的病理診断支援システムの構築を目標とし、客観的・高再現性な診断根拠に基づく病理診断を担保すると共に、患者への質の高い医療提供を目指していきたいと考えております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記概要で記載したとおり、①の「テキストを用いた客観的病理診断過程のモデル化」は順調に推移しております。また客観的診断モデルを用いて(a)潜在意味解析を用いた類似報告書の検索、(b)ベイズの定理を用いた疾患の推定や診断確率の提示、(c)診断と所見の記述の整合性検査を内容とする病理診断支援システムの開発についても検討を行い、高い正解率(精度)が得られました。一方②の「画像情報を用いた客観的病理診断過程のモデル化」の解析については、現在のところバーチャルスライドシステムを用いた画像の電子化や細分化を行っている研究初期の段階であります。今後は特徴ベクトルの作成・蓄積、またこれを用いた客観的診断モデルの構築を試みる予定である。 以上①②から、本研究はおおむね順調に進展していると考えております。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策についてですが、①の「テキストを用いた客観的病理診断過程のモデル化」については、(a)潜在意味解析を用いた類似報告書の検索、(b)ベイズの定理を用いた疾患の推定や診断確率の提示、(c)診断と所見の記述の整合性検査を内容とする病理診断支援システムの開発について、今後さらに症例数や取り扱い臓器を増やし精度を高めていきたいと考えております。一方、②の「画像情報を用いた客観的病理診断過程のモデル化」の解析については、上述のとおり現在はバーチャルスライドシステムを用いた画像の電子化や細分化を行っている段階であり、今後は特徴ベクトルの作成・蓄積、またこれを用いた客観的診断モデルの構築を試みる予定です。さらに、テキストおよび画像解析結果を有機的統合した実用的病理診断支援システムの構築を合わせて行っていく予定です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には、「テキストを用いた客観的病理診断過程のモデル化」についての解析を主に行いました。一方、「画像情報を用いた客観的病理診断過程のモデル化」の解析については、現在までバーチャルスライドシステムを用いた画像の電子化や細分化を行っている研究初期の段階であり、画像解析やその統計解析のための既存ソフトウエア購入予算が未使用であることが、次年度使用額が生じた大きな理由であります。さらに、画像電子化情報は膨大なデータ(ビッグデータ)であり、また個人情報を扱う作業の性格からも画像解析用の専用コンピューターや大容量ハードディスクなどの消耗品購入は必要不可欠でありますが、これについても未購入であったことが次年度使用額が生じた大きな理由であります。 次年度(平成26年度)では、上記のとおり、「画像情報を用いた客観的病理診断過程のモデル化」の解析を主に行っていく予定であります。従いまして、①画像解析やその統計解析のための既存ソフトウエア購入、②ビッグデータ、また個人情報を扱う作業の性格から必要不可欠である画像解析専用コンピューターや大容量ハードディスクなどの消耗品購入に使用させていただく所存でございます。
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