2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒト間葉系幹細胞の心筋誘導因子の同定と誘導効率の改善―新しい免疫細胞の関与-
Project/Area Number |
25670181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
肥田 直子 独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 研究員 (70360112)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 循環器 / 虚血性心疾患 / ヒト幹細胞 / バイオリソース |
Research Abstract |
検討細胞として用いるヒト羊膜由来間葉系細胞の心筋誘導因子を同定するため、羊膜組織を構成している細胞を上皮系と間葉系の細胞に分離して採取する条件を検討した。採取した細胞を上皮特異的に発現しているCD326タンパク(EpCAM)抗体を用いたFACSにより評価した結果、90%以上の精度で上皮細胞と間葉系細胞を分離することができた。これまでの独自に開発したin vitro心筋誘導アッセイシステムを用いた実験において、マウス胎児初代心筋培養細胞との共培養48時間前に、羊膜由来間葉系細胞に免疫学的寛容に重要な働きをしていると考えられているIL10を加えることで、心筋誘導率を著しく改善できることを明らかにしている。そこで、上皮系と間葉系に分離した羊膜由来培養細胞それぞれをIL10を添加した群、しない群で培養し、48時間後に回収した後抽出したRNAのMicroArray解析を行った。クラスター解析により、IL10を添加した間葉系細胞群特異的に発現が上昇している3遺伝子、IL10を添加した上皮系細胞群特異的に発現が下降している2遺伝子を同定した。共培養の時間的・空間的・物理的条件とともに、これらの遺伝子が心筋誘導因子であるかを共培養の条件に反映し、リアルタイムPCR及び免疫染色にて検討中である。羊膜由来細胞の心筋誘導易化条件を検討すると同時に、IL10を主軸にし、心筋誘導と免疫寛容の関係についても調査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来年度に継続される検体採取から評価までの一連の実験系の骨格はほぼ構築できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
MicroArrayから得られるデータは膨大であり、その内容を精査しながら実験系に反映し、ヒト羊膜由来細胞の心筋分化誘導因子もしくは条件の同定を進める
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
検体数が予定よりも少なかったため、組織からの細胞抽出に関わる費用が減額となった。MicroArrayの膨大なデーターより心筋分化誘導に関連している因子を抽出することを集中的に行い、共培養実験に用いる試薬の購入数が予定より少なかったため。 検体数が十分に揃って来たため、共培養実験を推進し、心筋誘導に関係していると思われる因子の同定に必要な試薬の購入に用いる。
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