2014 Fiscal Year Research-status Report
「臓器の老化」により変化する幹細胞分泌因子の探索と組織再生機序の解明
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25670182
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
豊田 雅士 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (50392486)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 糖鎖 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体の恒常性維持には組織内における幹細胞の役割が重要である。幹細胞は周囲環境(ニッチ)との相互作用によってその機能を維持しているとされ、加齢による影響を受けるとされるがその詳細は不明である。 我々は高齢者由来の組織から細胞を樹立し、その特性を若齢者由来のものと比較している。増殖能/分化能とも樹立直後の細胞は大きな違いはないものの、継代を重ねて細胞老化に至る過程において、様々な面でかなりの違いが認められている。これまでに幹細胞が持つ増殖能や分化能と相関性のある分子を複数見出しており、これらの分子の幹細胞維持や由来組織の加齢による違いにおける機能解析を進めている。さらにそれら分子をもとに、組織内でどのような発現様式を示すかを組織学的面からの検討を始め、組織幹細胞の機能維持にニッチがどのような影響を与えているかについて検討している。ここでは、これまで我々が特性解析の一つとして利用してきた細胞の糖鎖解析について、組織学的検証に利用できないかを検討し、一定の評価を行うことが可能な技術となることを示せた。今後組織環境変化を糖鎖の観点からアプローチすることが可能となり、幹細胞側の糖鎖解析と合わせることでより詳細な分子間相互作用に踏み込んだ検討ができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幹細胞の増殖能、分化能に関与する分子を複数見出すことができた。さらに組織学的に糖鎖解析が可能な技術を確立できた。これらの結果は次年度にむけた基盤となった。
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Strategy for Future Research Activity |
見出した分子を中心に、幹細胞のもつ恒常性維持機構の詳細な分子機構を検討していく。またここまで得た結果について、その一部を成果として学会や論文として発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
ここまで得られた研究成果を論文としてまとめており英文校正ならびに投稿料として使用を予定していたが、追加実験およびそのデータ解析が必要となり、当年度内の論文投稿を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文は最終段階にきており、まとまり次第英文校正をして投稿する予定である。
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Research Products
(6 results)