2013 Fiscal Year Research-status Report
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25670184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 雄介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30333503)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | FRET / バイオイメージング / CML / 蛍光寿命 / フローサイトメーター |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々が開発したFRETによる薬剤感受性試験を高感度化し、微少な薬剤耐性細胞検出能を飛躍的に向上させることである。本年度は以下の項目についての研究を行った。 1. バイオセンサー切断部位の同定と変異バイオセンサーの開発:我々の開発したバイオセンサーは患者由来の白血病細胞に導入した際に切断される場合があり、それにより耐性細胞検出能力が十分に発揮できない場合があった。蛍光観察とウエスタンブロッティングを用いて、バイセンサーに用いているCrkL分子内に2ヶ所の切断部位があることを同定した。そのうち1ヶ所については既知のタンパク分解酵素認識配列であり、当該部位に変異を入れたバイオセンサーを作製した。その結果、バイオセンサー切断は有意に抑制され、検出感度が2倍以上向上した。この成果は特許出願済みである。 2. 周波数ドメインでの蛍光寿命測定における励起レーザー周波数の検討:バイオセンサーに含まれるECFPの蛍光寿命は4成分からなることが知られている。周波数ドメインを用いて蛍光寿命を検出場合、用いるレーザーの周波数により蛍光寿命の成分のうち検出しやすいものとし難いものがあることがわかった。我々は励起レーザーの周波数を変調することで、それぞれの成分のいずれかを効率よく検出する方法を開発した。本法を用いることで、従前にまし蛍光寿命の変化を3倍好感度に検出することが可能となった。 3. 単一成分蛍光寿命を持つ蛍光蛋白質の導入:上記と並行して、ECFPに代わり1成分の蛍光寿命を有する蛍光タンパク質をFRETのドナーとして用いたバイオセンサーを作製した。ドナーのみの変更ではFRET効率の変化が認められなかったが、適切なアクセプターを用いることで、蛍光強度の変化において従来型に迫る性能を有するバイオセンサーの開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗は当初の研究実施計画通りに進んでいる。本研究計画においては各研究項目で具体的な研究感度の向上数値を上げ、全体として100倍の高感度化を計ることを目標としている。研究計画1については2倍を見込んでいたが、2ヶ所ある切断部位のうち1ヶ所を阻害するのみで、2倍以上の改善が認められた。さらにもう1ヶ所の切断阻害が実現すれば、目標を大きく上回る成果が期待できる。研究項目2及び3については、両者で10倍の高感度化を目指しているが、項目2で約3倍の向上が認められた。項目3で作製したバイオセンサーを用いることで、理論上は数倍の高感度化が見込まれるので、これら項目に関しても目標達成が十分に可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
項目1については残り1ヶ所の切断部位を阻害したバイオセンサーを作製する。現在のところ、当該配列に既存のプロテアーゼ認識配列は存在しないため、変異導入による切断阻害は困難だが、配列の欠失等も検討し既存型と同等性能を有し、かつ切断が抑制されたバイオセンサーを開発する。また、研究項目3で開発した単成分蛍光寿命を有するドナー蛍光タンパク質を持つバイオセンサーの仕様についても詳細に検討を加える。 また、当初平成26年度に実施を計画していた以下の項目についても、予定通り実施する。4. 多次元取得パラメータからの耐性細胞検出法:蛍光強度比と蛍光寿命の両パラメータからFRET効率の高低 を判断することで確実に薬剤耐性細胞を同定するアルゴリズムと判定法を確立する。 5. 臨床検体を用いたバリデーション:倫理委員会の承認を得た後、実際のCML患者検体を用いて検査を実施し、本研究開発結果を検証する。最終的に2年間の研究開発期間を通じて、当初目標の100倍の高感度化を上回る成果を達成できる見込みであり、ルーチンの末梢血採血1 ml中に含まれる数個の耐性細胞の検出が可能になる予定であり、成果の次第によってはより少ない数の耐性細胞検出も期待できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
準備していた実験に対して検体が間に合わなかった為 当研究課題に係る実験を遂行するため
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[Journal Article] Sustained elevation of Snail promotes Glial-Mesenchymal Transition (GMT) after irradiation in malignant glioma2014
Author(s)
R. Mahabir, M, Tanino, E. Aiman, L. Wang, T. Kimura, T. Itoh, Y. Ohba, H. Nishihara, H. Shirato, M. Tsuda, and S. Tanaka
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Journal Title
Neuro-Oncology
Volume: 6
Pages: 671-685
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Beneficial innate signaling interference for anti-bacterial responses by a TLR-mediated enhancement of the MKP-IRF3 axis2013
Author(s)
H. Negishi, K. Matsuki, N. Endo, H. Sarashina, S. Miki, A. Matsuda, K. Fukazawa, N. Taguchi-Atarashi, H. Ikushima, H. Yanai, J. Nishio, K. Honda, Y. Fujioka, Y. Ohba, T. Noda, S. Taniguchi, E. Nishida, Y. Zhang, H. Chi, R. A. Flavell, and T. Taniguchi
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A
Volume: 110
Pages: 19884-19889
DOI
Peer Reviewed
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