2013 Fiscal Year Research-status Report
寄生原虫トリパノソーマの解糖系酵素はなぜペルオキシソームに局在するのか
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25670205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
奈良 武司 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40276473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
モラレス ホルヘ 順天堂大学, 医学部, 助教 (20596126)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 代謝経路 / 解糖系 / ペルオキシソーム / オルガネラ進化 / トリパノソーマ / ディプロネマ |
Research Abstract |
本研究は、寄生原虫トリパノソーマ類に存在するペルオキシソーム関連オルガネラ、グリコソームの起原とその進化プロセスを解明することを目的とする。グリコソームは、解糖系10酵素のうちの初段7酵素や他の代謝経路酵素群を含む。代謝経路のオルガネラ移行はミトコンドリアや色素体などの細胞内共生体に由来する代謝経路以外には見つかっておらず、その進化原理の解明はトリパノソーマの進化のみならず代謝経路の適応進化を理解する上でも重要である。 本年度は、トリパノソーマ類と共通祖先を持つディプロネマDiplonema papillatumについて、ゲノム解読および解糖系酵素の分子系統解析(平成25年度)、およびペルオキシソーム局在タンパクの網羅的解析を実施した。予備実験で得られていたゲノム情報に加えて、さらにリードを増やしてゲノム情報を取得し、解糖系を含む糖代謝関連酵素遺伝子を同定した。ペルオキシソーム局在性タンパクは移行シグナル(PTS)を持つことが知られているが、D. papillatumは初段7酵素でトリパノソーマ類と同じタイプのPTSを持っていた(第6酵素グリセルアルデヒドリン酸脱水素酵素GAPDHを除く)。分子系統解析の結果、第3ホスホフルクトキナーゼPFK、GAPDH、およびホスホグリセリン酸キナーゼについて、D. papillatumとトリパノソーマ類の間で起原が異なることが明らかとなった。次に解糖系各酵素の組換え体に対する特異抗体を作製し、ウエスタン法で酵素の発現を調べたところ、初段ヘキソキナーゼおよびPFKが発現していないことが明らかとなった。予備実験から、D. papillatumが培地中のグルコースを消費しないことが明らかとなっているが、これはPFK活性が失われているためであると推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に予定していたD. papillatumのゲノム解読および解糖系酵素の分子系統解析はすでに達成し、さらに解糖系酵素群のペルオキシソーム局在についても明らかになるなど、研究は格段に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた成果を踏まえ、D. papillatumのメタボローム解析や放射性同位体でラベルした基質を用いたトレーサー実験を行ない、解糖系のペルオキシソーム移行の生理的意義を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の節約に最大限努めた結果、支出を押さえることができた。 研究は極めて順調に進んでおり、次年度に予定しているメタボローム解析は外部受託の予定である。各種培養条件を変えてD. papillatumのメタボロームを複数回にわたって解析する必要があり、特に高額になると予想されるのでこれに充当する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Structure of the trypanosome cyanide-insensitive alternative oxidase.2013
Author(s)
Shiba T, Kido Y, Sakamoto K, Inaoka DK, Tsuge C, Tatsumi R, Takahashi G, Balogun EO, Nara T, Aoki T, Honma T, Tanaka A, Inoue M, Matsuoka S, Saimoto H, Moore AL, Harada S, Kita K.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 110
Pages: 4580-4585
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Biochemical characterization of highly active Trypanosoma brucei gambiense glycerol kinase, a promising drug target.2013
Author(s)
Balogun EO, Inaoka DK, Shiba T, Kido Y, Nara T, Aoki T, Honma T, Tanaka A, Inoue M, Matsuoka S, Michels PA, Harada S, Kita K.
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Journal Title
J Biochem
Volume: 154
Pages: 77-84
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Hypoxia increases gefitinib-resistant lung cancer stem cells through the activation of insulin-like growth factor 1 receptor.2013
Author(s)
Murakami A, Takahashi F, Nurwidya F, Kobayashi I, Minakata K, Hashimoto M, Nara T, Kato M, Tajima K, Shimada N, Iwakami S, Moriyama M, Moriyama H, Koizumi F, Takahashi K.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e86459
DOI
Peer Reviewed
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