2013 Fiscal Year Research-status Report
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25670210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丹治 保典 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (00282848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮永 一彦 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (40323810)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イエバエ / 多剤耐性菌 / 菌叢解析 / パイロシーケンス |
Research Abstract |
イエバエの腸内細菌叢を解析したところ、様々な抗生物質に対し耐性を示す細菌(多剤耐性菌)が多く検出された。使用したハエは渋谷駅近くの公園、および大学構内(横浜市緑区)で採取した。人間にとって最も身近な昆虫であるハエが薬剤耐性菌を多く保持(保菌)するとした報告例はない。観察結果の普遍性を最初に立証するために平成25年度は山手線沿線5箇所(渋谷、新宿、池袋、上野、大崎)、およびキャンパスのある横浜市緑区で春夏秋の3シーズンに渡りイエバエとキンバエを捕獲し、ハエ腸内細菌叢の解析を行った。解析は培養法と次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析法により行った。解析により腸管細菌叢の地域および季節による変動を捉えることができた。 また、キャンパスでイエバイ卵塊を採取し、ウジ→蛹→成虫へと成長させ、各成長段階における菌叢を培養法および遺伝子解析法により行った。薬剤耐性菌の存在が確認され様々な抗生物質を用い、各段階でスクリーニングした薬剤耐性菌の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
山手線沿線5箇所と横浜緑区の合計5箇所から春夏秋の3シーズンに渡りイエバエとギンバエを採取することができ、ハエ腸管に含まれる微生物叢の解析を培養法と遺伝子解析法により行った。このような解析事例は今までになく、研究成果はSeasonal variations in bacterial communities and antibiotic-resistant strains associated with green bottle flies (Diptera: Calliphoridae)と題した論文として、Applied Microbiology and Biotechnologyに受理された。また、1個体のハエが産卵した卵塊を採取し、ウジ、蛹、成虫と生長するに従い腸管細菌叢の変化を捉えることができ、Bacterial communities and antibiotic-resistant strains in different developmental stages of the housefly (Musca domestica) と題した論文として、Applied Microbiology and Biotechnologyに受理された。極めて短期間に研究成果を論文化することができ、このことが当初の計画以上に研究が進展していると判断した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究により東京都市部、および横浜の住宅地区から捕獲したイエバエ・ギンバエの腸管には極めて多くの抗生物質耐性菌が存在すること、それらが成長に伴っても個体内に安定して存在し得ること、複数の抗生物質に耐性を示す多剤耐性菌も多く存在することなどが明らかとなった。人にとって最も身近な昆虫であるハエ腸管に多剤耐性菌が顕在化する事実は驚きであった。これらの結果を踏まえ、平成26年度はスクリーニングした薬剤耐性菌の耐性メカニズムを遺伝子解析により行う。薬剤耐性に関わる遺伝形質はプラスミドまたは染色体上にコードされている。プラスミドの存在を確認し、シーケンスにより薬剤耐性遺伝子の有無を調べる。薬剤耐性菌の由来も不明である。ヒトは多くの抗生物質を使用しているから、ヒト腸管には薬剤耐性菌が存在しても不思議でない。しかしハエは抗生物質に暴露される機会は少ないと考えられる。親ハエから子バエへの伝播が考えられる。1個体から産卵塊を採取し、親ハエの腸管細菌叢と卵塊表面に付着した菌叢、および同卵塊から発生したウジ、蛹、成虫の腸管菌叢を解析することにより、薬剤耐性菌が垂直伝播(親から子への伝播)されることを実証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度にハエ腸管細菌叢を外注によりパイロシーケンサーで解析しようと計画した。外注費は約40万円かかる。しかしパイロシーケンスに供する試料の調整が間に合わず、平成26年度に持ち越したため40万円を繰越金とした。 今年度、ハエ腸管細菌叢を外注によりパイロシーケンサーで解析する計画。
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Research Products
(3 results)