2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670210
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丹治 保典 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (00282848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮永 一彦 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (40323810)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イエバエ / 多剤耐性菌 / 菌叢解析 / パイロシーケンス |
Outline of Annual Research Achievements |
ハエの幼虫・蛹・成虫いずれの成長過程においてもハエの腸管内には多様な抗生物質に対する耐性菌が存在し、公衆衛生の面から様々な問題が危惧された。本研究ではハエ腸管内の細菌叢変化および抗生物質耐性菌の消長を培養法ならびに遺伝子学的手法を用いて解析した。用いたハエはミトコンドリアDNAの解析からSarcophaga similis(和名:ナミニクバエ)であった。第1世代と第2世代の幼虫、蛹、成虫の腸管に含まれる菌叢解析を16S rRNA遺伝子を対象としたPyrosequencing法によって行った。細菌叢はハエの成長過程毎に変化し、特に第1世代目の成虫と第2世代目との間における細菌叢は全く異なっていた。成虫腸管内の抗生物質耐性菌数をLB(Luria-Bertani)寒天平板培地塗抹培養法によって産仔前後3週間にわたって経時的に測定した。本種は産仔する場として死肉が必要であり、本研究では豚レバーを用いた。対象とした抗生物質はampicillin(50 μg/mL)、kanamycin(50 μg/mL)、tetracycline(50 μg/mL)、nalidixic acid(30 μg/mL)、ciprofloxacin(5 μg/mL)の5種である。産仔期間前後において、腸管から分離した菌数は抗生物質を含まないLB培地上で約数百万 CFU / gから約数億CFU / gまで増加し、tetracycline、ciprofloxacin以外の耐性菌に増加が見られた。投与後の腐敗した豚レバーからは今回用いた抗生物質全種に対する耐性菌が検出された。産仔のために与えた豚レバーをハエは経口摂取するため、豚レバーの投与は腸管中の菌数ならびに耐性菌増加に寄与している可能性が示された。
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Research Products
(3 results)