2013 Fiscal Year Research-status Report
抗アレルギー治療は滲出型加齢黄斑変性に対する新たな治療法になりえるのか?
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25670230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
兼子 裕規 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20647458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加地 秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30345904)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒスタミンh4受容体 / 加齢黄斑変性 / 脈絡膜新生血管 |
Research Abstract |
ヒスタミン受容体h4(HRH4)の発現を人間・マウスで検査した結果、HRH4は手術中に採取した人間の脈絡膜新生血管(CNV)に発現している事が確認され、またマウス眼底に人工的にCNVを作成した組織中でも確認された。 Johnson&Johnsonの研究所から提供を受けたHrh4ノックアウトに実験的CNVを作成したところ、野生型マウスのそれに比べて有意に体積が減少していた。また、抗HRH4抗体でマウスCNVを免疫染色を行ったところ、HRH4抗体陽性細胞は、マクロファージのマーカーである抗F4/80抗体にも陽性であった。 さらに、選択的HRH4受容体拮抗薬であるJNJ7777120をマウス硝子体内に投与し、実験的CNVのサイズが変化するか検討したところ、JNJ7777120投与群の実験的CNVは対照群のそれに比べて有意に減少していた。 JNJ7777120の毒性の有無について検討する目的で、マウス眼球内に高濃度のJNJ7777120を投与し眼底の観察を行った、その結果、投与後7日の時点で眼底には網膜変性は存在せず、切片で確認しても網膜の菲薄化は生じていなかった。また網膜電図を測定しても網膜視細胞の機能を反映するa波の減弱を認めなかった。 以上の結果より、HRH4はCNVに発現している事が確認され、さらに抗HRH4治療がCNVを抑制することで加齢黄斑変性の治療に有効である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の方向性を決定するうえで重要な実験結果は既に得られており、実験は概ね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
HRH4を発現している細胞が本当にマクロファージなのか、その機能はどういったものか。さらに、内服治療が効果的か否かを検討する方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
比較的早期にHRH4ノックアウトマウスの提供と、自施設内での繁殖が可能であったため、実験計画自体の正否を問う重要な実験を初年度に行う事ができた。それらの実験を優先して行った為、当初の実験計画と順序が変更になり、使用額が変更された。 次年度は当初予定していた残りの実験を行うため、最終的な使用計画および使用額の総額は予定通りになると考えられる。
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